『あんぱん』津田健次郎の芝居からみえる熱いジャーナリストイズム “ハチキン”のぶも復活
NHK連続テレビ小説『あんぱん』第13週「サラバ 涙」は、敗戦からのぶ(今田美桜)だけでなく日本全体がもう一度立ち上がっていく物語。“朝ドラ受け”を務めた『あさイチ』「プレミアムトーク」出演の椎名林檎(!)が「希望が見えてきて、来週が楽しみですね」と感想を話していたように、第65話は久しぶりにのぶの“ハチキン”としての快活な姿が見られる回となっている。
闇市で渡された東海林(津田健次郎)の名刺を頼りに、高知新報にやってきたのぶだったが、案の定、東海林は「君のような人を我が社は待っちょった。採用」と話したことを全く覚えていない様子。東海林の提案からのぶは高知新報の入社試験を受けることとなった。
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NHK連続テレビ小説『あんぱん』は、長く苦しかった戦争の時代を超え、舞台は戦後へと移り変わっていく。「愛国の鑑」と呼ばれ、軍国主…初日の筆記試験は教師としての知識も手伝い優秀な成績を獲得、翌日の町での取材を記事にする試験では次郎(中島歩)が遺した速記と相手の立場になって取材をするのぶの聞く力(先に自分のことを話しているのもポイント)が発揮された。だが、のぶにとって関門となったのが最終面接。局長・霧島了(野村万蔵)、次長・鳥居出(古河耕史)、主任・東海林の3人が面接官を担当し、鳥居と東海林は好印象なのに対して、霧島は仏頂面だ。
上層部の一人として、進駐軍の動きを気にしている霧島は、過去に自社が報じたのぶの「愛国の鑑」としての記事が引っかかっていた。当時、忠君愛国の精神は相当なもので、そう簡単に思想は変わらないのではないかと。のぶは教師を辞めた理由と今の正直な気持ちを答えていく。
世の中がガラリと変わり自分の価値観もひっくり返ったこと、今度こそ間違えないように周りに流されず自分の目で見極め自分の頭で考え、ひっくり返らない確かなものを掴みたいということ。「あんなきれい事を言うても過去はぬぐえん」と心象は変わらない霧島に、「ちょっと待ってください!」と東海林が食って掛かる。