少女の復讐劇がリアルに描かれる 『MELT メルト』本ビジュアル、予告編、場面写真公開
7月25日に公開される映画『MELT メルト』の本ビジュアルと予告編、場面写真が公開された。
本作は、『オーバー・ザ・ブルースカイ』(2012年)に出演したフィーラ・バーテンスによる初の長編監督作品。2023年のサンダンス映画祭で最優秀演技賞(ワールド・シネマ・ドラマティック部門)に輝き、ベルギーのアカデミー賞とも呼ばれるマグリット賞で最優秀フランドル映画賞を受賞している。
ブリュッセルでカメラマン助手の仕事をしているエヴァは、恋人も親しい友人もなく、両親とは長らく絶縁している孤独な女性。そんなエヴァのもとに一通のメッセージが届く。エヴァの少女時代に不慮の死を遂げた少年ヤンの追悼イベントが催されるというのだ。そのメッセージによって13歳の時に負ったトラウマを呼び覚まされたエヴァは、謎めいた大きな氷の塊を車に積み、故郷の田舎の村へと向かう。それは自らを苦しめてきた過去と対峙し、すべてを終わらせるための復讐計画の始まりだった……。
大人のエヴァ役を務めたのは『トリとロキタ』のシャーロット・デ・ブリュイヌ。13歳のエヴァ役は、サンダンスで賞を得たローザ・マーチャントが演じた。マーチャントは本作が長編映画デビュー作となった。さらに、『トリとロキタ』『CLOSE/クロース』のプロデューサーも参加している。
公開された本ビジュアルには、涙を流す13歳のエヴァが写し出されており、何かに怯えたような目、不安と恐怖が入り混じった表情とあわせて「溶けるまえに思い出して。」という意味深なキャッチコピーが添えられている。
日本版予告編では、冒頭から「13歳の夏休みに起きた―人生を変えた出来事」といった不穏なワードにはじまり、「女の子が必要だ」「シラケさせるなよ」といったエヴァと幼なじみが交わす意味深なセリフも飛び交い、ただならぬ空気が漂うなか過去と現在が交錯していく。当時、エヴァと幼なじみとの間で行われていた「ゲーム」とは何なのか。現在のエヴァが大人になった彼らと再会を果たす様子も明らかに。果たしてどのような展開が待っているのか。
場面写真では、子供時代のエヴァが幼なじみと仲睦まじく遊んでいるシーンや彼女の冷静な表情、また現在のエヴァなどが切り取られている。
また著名人からの絶賛コメントも到着した。
コメント
YOU(タレント)
あの頃ってとにかく眩しかった みたいに言うけれど
その眩しい光の影といったら漆黒で残酷で怖かったんだ
内藤瑛亮(映画監督)
13歳の少女の心が破壊される。
壊した者には居場所があるのに、壊された者は居場所もない。
理不尽過ぎる。
でも現実だ。
覚悟して観て欲しい。
悪い予感はすべて当たる。
ゆいちむ(映画好きOL)
思春期に刻まれた毒は、記憶の雪解けとともに現実を侵食する。
これは復讐譚なのだろうか。
むせかえるほどの孤独と絶望が、それすらも曖昧にしてしまう。
氏家譲寿(ナマニク/文筆業・映画評論家)
心の瘕は化膿する。
癒えることはなく、膿を垂れ流しながら、瘴気を放ち続ける日々。
壊死していく心の先にある、冷たい終幕。足元に感じた冷たさに、思わず指先がこわばった。
枝優花(映画監督・脚本・写真家)
子供たちのなかで繰り広げられる
大人には見えない地獄がジワジワと続く時間
そしてそれを例え心の奥底に葬ったとしても
水面下で時間をかけ
その人間の心も生活も蝕み溶かしていく様を
こちらに刻みつけるような痛みがあった。
これを反面教師、のような簡単な言葉では
片付けられない。
■公開情報
『MELT メルト』
7月25日(金)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開
出演:シャーロット・デ・ブリュイヌ、ローザ・マーチャント
監督:フィーラ・バーテンス
原作:『Het Smelt』(2015年)
提供:ニューセレクト、キングレコード
配給:アルバトロス・フィルム
2023年/ベルギー、オランダ/オランダ語/111 分/シネスコ/5.1ch/原題:Het Smelt/英題:When It Melts/日本語字幕:草刈かおり/後援:駐日ベルギー大使館、オランダ王国大使館/映倫区分:PG12
©Savage Film - PRPL - Versus Production-2023