『あんぱん』“千尋”中沢元紀が海軍少尉として再登場 週タイトル“だけど”を表す展開に
合格した日の夜も不寝番を務めた嵩。健太郎と束の間の癒しの時間を過ごしていると、酒を持った馬場(板橋駿谷)と甲田(萩原亮介)が。甲幹合格を果たした目黒と共に厩舎で祝い酒を酌み交わす。初年兵の合格により、一致団結の必要性を実感したのか、馬場と甲田は下の立場の者を殴って憂さ晴らしをするのはやめると宣言。第11週のタイトル「軍隊は大きらい、だけど」を表すような展開だ。嵩にとっては悪いことばかりの場所ではなかったというだけで、理不尽な暴力をやめない古年兵や自分だけ得をしようと立ち回る上司もいただろう。軍隊が人間らしさを押さえ込む場所であることには変わりない。
一方、のぶ(今田美桜)は次郎(中島歩)から手紙を受け取っていた。太平洋戦争開始から半年以上経ち、のぶはもんぺを身につけている。次郎の手紙には、のぶを案じる言葉と共に、次郎自身が肌で感じている厳しい戦局を表す言葉が綴られていた。のぶが日本の勝利を信じていたからこそ自分の無事ではなく、戦局に関することのみを記載したのだろう。嵩には戻ってこいと言えたのに、次郎には言えなかった。のぶが強い後悔に苛まれる日が来なければいいが……。
時が経ち、昭和19年(1944年)7月。嵩が小倉連隊に配属されて2年、嵩は伍長に昇進していた。無駄口を叩く初年兵を強く叱責することも殴りつけることもせず、静かに作業を手伝う嵩。そんな姿を見て、八木は「変わらんな」と呟く。八木は呆れているような口ぶりだったが、嵩のような下士官が育つことをどこかで望んでいたのだろう。八木の嵩に対する真意はいつか明かされるのだろうか。
嵩の元には、海軍少尉となった千尋(中沢元紀)から再会を望む手紙が届く。小倉で再会した千尋は真っ白な海軍服に身を包んでいた。千尋がなぜ海軍少尉になっているのかは、明日の第54話で明かされることだろう。嵩と別の道を進むことになる千尋の運命はいかに。
■放送情報
2025年度前期 NHK連続テレビ小説『あんぱん』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00〜8:15放送/毎週月曜〜金曜12:45〜13:00再放送
BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜8:15〜9:30再放送
BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:今田美桜、北村匠海、加瀬亮、江口のりこ、河合優実、原菜乃華、細田佳央太、高橋文哉、中沢元紀、大森元貴、二宮和也、戸田菜穂、浅田美代子、吉田鋼太郎、竹野内豊、妻夫木聡、阿部サダヲ、松嶋菜々子
音楽:井筒昭雄
主題歌:RADWIMPS「賜物」
語り:林田理沙アナウンサー
制作統括:倉崎憲
プロデューサー:中村周祐、舩田遼介、川口俊介
演出:柳川強、橋爪紳一朗、野口雄大、佐原裕貴、尾崎達哉
写真提供=NHK