『続・続・最後から二番目の恋』真平の告白に長倉家一同が涙 ラストを漂わせる集大成感も

 『続・続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系)には毎度、今回のシーズンがもしかしたらラストなのかもしれないと思わせる集大成感が漂っている。その中でも、6月2日に放送された第8話は、その色が特に濃かった印象だ。

 そう思わせたのは、長倉家の一同に起因している気がする。まず、10年以上「書きたいものがない」「私には何もない」と言っていた万理子(内田有紀)は、月9ドラマの企画書を完成させる。それは、万理子が千明(小泉今日子)へ抱いてきた想いをテーマにした、彼女が書く初めてのオリジナル作品。万理子がオリジナル作品を書いたこと、そして千明への思いを形にする、それはここまでの思いを一旦完結させたことという意味を含んでいる気がした。

 一方、典子(飯島直子)は、夫・広行(浅野和之)と息子の翔と3人で暮らした思い出が、さまざまな「モノ」に宿っている部屋の片付けをしようとしていた。それはまるで3人家族だった日々から、それぞれが歩み始める未来に向かっているような印象。家族という揺るがない存在から脱却し、1人の人間として向き合う時間を目前に控えているようだった。

 そして、今話で1番の見せどころを作ったのは、真平(坂口憲二)である。真平はある日、知美(佐津川愛美)と共にカフェ・ナガクラで盛大なパーティを開催することを宣言。それは、真平から皆に「伝えたいこと」があるというのが理由だった。そして、そこで真平の口から告げられたのは、脳にあった腫瘍が消えたということ、これから自分の行動に制限をかける必要がないということ。こんな幸せな展開、誰が想像していただろうか。ずっとずっと、何かに怯え、「自分は病気だから」といろんなことを諦めていた真平が、自由を手に入れるだなんて。これには、長倉家一同、涙を見せた。

 そして、その際に、感動しながらも現実を受け入れられていない和平の背中をさする千明の関係性が美しい。「2人はどうなっているんだ?」「付き合っているのか?」と周りから聞かれると、曖昧な回答をする2人だが、こういう小さな1シーンでの仕草で2人がつながり合っていることがわかる。和平と千明、2人の関係性はこれでいい、これがいいと思わせてくれた瞬間だった。

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