心を明るくしてくれるエンターテイナー。そう聞いてあなたは誰を思い浮かべるだろうか？

　きっと、ドラマ『人事の人見』（フジテレビ系）に出演しているTravis Japanの松田元太を挙げる人も多いだろう。バラエティ番組で見せる親しみやすい松田本人の人柄と、彼が演じる人見の元気で無鉄砲なキャラクターは重なる。当て書きということもあって、どちらも持ち前の明るさで悩みを全て解決してくれるようなパワーに溢れる存在だ。

　松田は、ドラマ『ビリオン×スクール』（フジテレビ系）では無邪気さの中に悩める高校生らしさを滲ませ、注目を集めるきっかけになった『東京タワー』（テレビ朝日系）では人妻に溺れる大学生を演じ切った。長い茶髪のイメージが強い彼だが、『ゼイチョー ～「払えない」にはワケがある～』（日本テレビ系）や『結婚予定日』（MBS）では黒髪短髪姿の真面目な社会人という全く別の一面を見せている。本人のキャラクターが印象的であるため、「どんな役柄も“松田元太”になってしまうのでは？」と思いがちだが、改めて観直した筆者でさえ「同じ人物？」と考えるほど役に同化していたから驚きだ。

　さらに、現在公開中の『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』と2024年に公開された『ライオンキング：ムファサ』では声優に挑戦するなど、自然と溶け込む演技力で活躍の幅を広げている。

　そんな松田と同じくディズニー映画『リロ＆スティッチ』の日本版声優に選ばれたのが、Travis Japanで一緒に活動する中村海人だ。「昨年、『ライオン・キング：ムファサ』で声優を担当した元太に続けたことがまず嬉しい」（※1）と喜びのコメントを寄せていた中村をはじめ、Travis Japanのメンバーはここ1年、映像作品で着々と存在感を放っている。

　中村の代表作といえば、映画『矢野くんの普通の日々』を思い浮かべる人も多いのではないだろうか。不運に巻き込まれやすい高校生の矢野（八木勇征）と心配性の吉田（池端杏慈）の恋模様を描く中で、中村は2人のクラスメイトでスポーツ万能な羽柴役をコミカルに演じた。さらに、現在放送中のドラマ『ミッドナイト屋台〜ラ・ボンノォ〜』（東海テレビ・フジテレビ系）では、寺の副住職である傍ら、WEST.の神山智洋演じるフレンチシェフと出会い、寺の一角で屋台を開くことになる役柄に。料理ができない代わりに人懐っこさでお客さんを虜にしていくアイドルらしさとナチュラルな演技力のバランスには、これからの可能性を感じるものがあった。