ソン・ソックの甘い魅力が大爆発 『君は天国でも美しい』が描く“徳”と人生のあるべき姿

 Netflixで配信中の『君は天国でも美しい』は、「天国と地獄」を舞台に死後の世界を描いたファンタジーなロマコメ作品だ。韓国ドラマ得意のジャンルミックス作品だが、本作が伝えるメッセージ性は強い。「どう生きるか」ということを視聴者に問いかけ、「誠実に生きよう」と訴えかけてくる。主演を務めるのは、韓国が誇る大女優キム・ヘジャと、大人の渋さが魅力の人気俳優ソン・ソック。Netflix世界ランキングでも常にトップ10にランクインする人気作品として視聴者を魅了中だ。本稿では、第5話、第6話を中心にご紹介したい。(以下、ネタバレを含みます)

 80歳で天国に行ったイ・ヘスク(キム・ヘジャ)は、天国で愛する夫ナクジュン(ソン・ソック)に再会する。天国では好きな年齢の姿になれるのだが、80歳を選んだヘスクと、30代を選んだナクジュンは、相思相愛の夫婦でありながら年齢差のある見た目になってしまう。

 天国では、「幸せでいる」ことが大切で、悪いことをすると地獄行きになってしまう。ヘスクは、天国での悪行が積み重なり、ナクジュンの目前で地獄に運ばれる。ナクジュンは、愛する妻を救い出すために、ヘスクの後を追い地獄へ乗り込んでいく。

 ここから恐ろしい地獄篇へと突入だ。本作と比較される作品として映画『神と共に』シリーズがよくあげられている。殉職した消防士が、冥界の使者に伴われて死後の裁判を受けるというものだ。ここで描かれている地獄は7つだが、本作では、「新地獄」という現代の罪に合わせた地獄が存在する。「罪」のアップデートがされ現代風にアレンジされた地獄が非常に恐ろしい。

 「閻魔様がいらっしゃいました」の声と共に登場した閻魔(チョン・ホジン)の姿を見たヘスクは、天国のセンター長と瓜二つの閻魔の姿に驚愕する。閻魔役は誰だろうかと楽しみにしていたが、チョン・ホジンの二役とは! 天国では、常に後光が差しており、神のような慈悲深い存在として、慈愛に満ちた芝居を見せているが、地獄では狂気的なまでのカリスマ性を纏い、圧倒的な恐ろしさで罪人たちを震え上がらせる。チョン・ホジンの見事な豹変っぷりには、演じる本人も楽しいのだろうなと感じさせられる。

 「地獄では犯した罪を隠せない」という通りに、生前の罪が頭にスキャナーを当てると暴かれる。「嘘」「不倫」「いじめ」「殺人」「虐待」「ネットリンチ」など、それぞれの罪に応じた地獄の描写は凄まじい。「嘘をついたら閻魔様に舌を抜かれる」と言う通りに、舌を切られ、灼熱の炎に投げ込まれ、氷漬けにされ、槍でつかれ、罪人たちの阿鼻叫喚で仏教における地獄絵図そのものが描かれる。

 ヘスクは、地獄でヨンエ(イ・ジョンウン)と再会し、閻魔の前で罪の重さを量られる。一方、ヘスクを追って地獄に来たナクジュンは、閻魔から「すべての地獄を経験したらお前の妻を返してやろう」と言われ、灼熱の炎の中に飛び込む。『私の解放日誌』ではそれぞれク氏とミジョンの父を演じた2人が、ナクジュンと閻魔として対峙する。そして、『私の解放日誌』でク氏が幅跳びを見せたように、ナクジュンは炎の中に大きくダイブしていくーー。

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