『なんで私が神説教』（日本テレビ系）に登場する浦見（渡辺翔太）は、どこか抜けたところのある飄々とした人物だが、生徒思いの熱意ある教師だ。第4話では、そんな浦見に別の顔が見え始める。

　学校の廊下に貼られた「麗美静は人殺し」と、静（広瀬アリス）を中傷する貼り紙。監視カメラの位置に異常に詳しい浦見は、森口（伊藤淳史）から貼り紙の犯人として疑われることになるのだ。次回へと跨ぐ、強引なミスリードに思えるが、学校改革委員長としてすっかり“悪役”ポジションとなった森口の言っていることとはいえ、確かに犯行は可能そうではある。第4話で印象的に描かれるのは、浦見の冷静沈着かつ洞察力の高さ。田沢（島村龍乃介）の貧乏ゆすりと顔を触る仕草から嘘をついていることを見抜き、体育館に監視カメラは存在しないことを逆手に取り、生徒にカマをかける。飄々とした熱血教師は作られた姿で、冷血な本性が潜んでいるとしたら――。

　本作はオリジナル脚本のため、どこまでいっても想像の域を出ることはないが、静の過去や新庄（小手伸也）と大口（野呂佳代）の浮気現場、森口の容赦ない生徒への退学処分など、それぞれもう一つの表情が描かれていることからも、浦見のそのような一面があっても何ら不思議ではない。

　先述した「麗美静は人殺し」の張り紙について、静の脳裏につらい記憶がフラッシュバックする。ニュースの見出しには「女子高生が歩道橋から転落し死亡 いじめが原因か」の文字。母・叶子（堀内敬子）は「あれはあなただけのせいじゃない」と慰めた。静のセリフにもある通りに、過去の事件について校内に知っている人物がいるということは紛れもない事実。第2話から引き続き、志田未来が演じる謎の女性も再登場しており、静を監視しているようだ。葬儀の遺影の女性（菅原咲月）と関連していると見て間違いないだろう。