塩野瑛久が放つ色気に誰もが夢中になる 『魔物(마물)』“危険”な凍也役に釘付け

 『魔物(마물)』(テレビ朝日系)を観つつ、気になる人物を調べた。スマホに表示された検索結果を見て、「またやってしまった」と思った。観ていた作品の中で目を引かれ、名前がわからない人を調べると、たまにすでに知っている俳優に行き着くことがある。それが、本作で源凍也を演じている塩野瑛久である。

 本作は韓国ドラマ『梨泰院クラス』(2020年)を手がけたスタジオ・SLLと、同作の日本版『六本木クラス』(2022年)を制作したテレビ朝日による、日韓共同制作の完全オリジナルラブサスペンスドラマだ。塩野が演じる凍也は、若手選手の育成にあたっているフェンシングクラブのコーチという役どころ。高校時代に知り合った妻の夏音(北香那)とは、互いを深く愛し合っているように見えるが、それがあまりにも執拗で、DVの疑惑もかけられていた。

 第2話ではそんな凍也の過去が徐々に紐解かれ、彼の美しくも妖艶な魅力に抗えない人たちの姿が描かれた。初めて会った時から凍也に惹かれるものを感じていたようなあやめ(麻生久美子)は、恩師である名田(佐野史郎)が殺害された事件の容疑者に挙げられた凍也と、その弁護人という立場で再会。“仕事”として彼のことを知っていくなかで、ついに惹かれる気持ちを抑えられなくなってしまう。場所も気にせず凍也との情事に耽ってしまうあやめを見ればその“堕ちっぷり”は明らかだろう。

 さらに、夏音も凍也のことになると必死の様相で、釈放された凍也には愛情を示すかのようにすぐ抱きついていた。だが、それは他人であるあやめに見せつけているようにも感じられた。さらに、今は凍也に憎悪を向けている名田家の人々も、潤(落合モトキ)は学生時代に凍也といつも一緒に過ごした親友という間柄で、陽子(神野美鈴)も渋い顔をしながらも凍也が離れに住むことを許可した。結局2人も凍也に“魅入られた”側の人間なのではないだろうか。夏音の結婚指輪を持ってニヤニヤしていた名田でさえ、苦痛に歪む凍也の顔こそが見たかったのかもしれないと考えると、年齢も性別も関係なく、凍也の魅力に気づいた者は彼に囚われてしまうのだろう。

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