小野賢章が挑む“感情を引きずらない”演技 『ユア・フォルマ』ならではのバディ関係

小野賢章が挑んだ、“感情を引きずらない”ロボットの役作り

ーー少し話は変わりますが、現実でもAIやロボットが仕事を代替することが増えています。そのうえで、「キャラクターの魂」とも言える声を人が演じることの面白さについて、どう思いますか?

小野:人が演じることの面白さって、不安定な部分にあると思います。演技って人間の体をつかってやるものだから、どうしても完全にコントロールできるものじゃないんです。その場の空気感や感情、体調など、いろんな要素に引っ張られて変わる。その場で生まれた感情に引っ張られて、それが演技に反映される……その偶発的なものこそが、人間にしかできないことなのかなと思います。

ーーなるほど。

小野:人って、感情を引きずることがすごく多いじゃないですか。でもロボットにはそれがないんですよね。今回のディレクションでも「このシーンは前のシーンでちょっとしんどいことがあったけど、それを引きずらずに、いつも通りでいてください」みたいな指示が結構あって。人間の感情って、1本の線みたいに1日中つながっていて、「今日はちょっと気分が落ち込んでるな」とか、「なんとなく浮かないな」というのをずっと引きずることがあると思います。でもハロルドはそうじゃなくて、その瞬間ごとに対応が決まる。だから、たとえ前のシーンで重い出来事があっても、それはもうそこで完結していて、次のシーンが明るい雰囲気なら、それに合わせて自然に切り替わるんです。そういう感情の「引きずる・引きずらない」という部分が、人間とロボットの大きな違いだなと思いました。

ーー本作ではさまざまな事件が起こるので、ハロルドのシーンごとの細かな反応の違いが楽しみです。

小野:はい、そこはぜひ楽しみにしていただければと思います。僕自身は特に、共演した皆さんの演技を受け取って、その影響で自分の中から出てくるものを大事にしているので。やっぱり、人と掛け合うからこそ、生まれる芝居の面白さってあると思います。

ーーでは最後に、もし『ユア・フォルマ』の世界のように他人の記憶や感情にダイブできるとしたらどうしますか?

小野:覗いてみたい気持ちがないわけではないのですが、身近な人はちょっと嫌だな(笑)。傷つくかもしれないし、知らないほうがいいこともありますから。自分のことをどう思っているのかが分かれば、「ここは直したほうがいいんだな」と気づける部分もあるかもしれない。でも、もし納得できないようなことを言われていたら、人間関係が崩れちゃう可能性もある。そう考えると、自分はダイブしないと思います(笑)。

■放送情報
『ユア・フォルマ』
テレビ朝日系全国ネット“IMAnimation W”枠にて、毎週水曜23:45~放送
キャスト:花澤香菜(エチカ・ヒエダ役)、小野賢章(ハロルド・W・ルークラフト役)
原作:菊石まれほ(KADOKAWA刊)
原作イラスト:野崎つばた
監督:尾崎隆晴
シリーズ構成・脚本:筆安一幸
キャラクターデザイン:嘉手苅睦
音楽:加藤達也
アニメーション制作:ジェノスタジオ
製作:ユア・フォルマ製作委員会
©︎2025 菊石まれほ/KADOKAWA/ユア・フォルマ製作委員会
公式サイト:https://www.yourforma-anime.com/
公式X(旧Twitter):https://twitter.com/yourforma
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@yourforma_official

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<応募締切>
4月24日(木)

ユア・フォルマ

脳の縫い糸、通称〈ユア・フォルマ〉。 1992年に起きたウイルス性脳炎のパンデミックから人々を救った医療技術は、 今や日常に不可欠な脳侵襲型情報端末へと進化をとげていた。 見たもの、聞いたこと、そして感情までも。 全てが記録される世界で、重大犯罪事件の捜査は、 記録の集合体〈機憶〉にダイブできる特別捜査官「電索官」の仕事になっていた。 世界最年少で電索の任についた天才少女、エチカ・ヒエダ。 その才能ゆえに孤立する彼女にあてがわれた新しい相棒は、金髪碧眼のヒト型ロボット〈アミクス〉のハロルドだった。 最強の二人の前に、秘密は全て暴かれる!

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