カン・テオが“魔法少女”まで体当たり演技 『ジャガイモ研究所』クライマックス目前で急展開
Netflixで配信中の『ジャガイモ研究所』がクライマックス目前を迎えた。本作の主演は、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』のカン・テオと、『酒飲みな都会の女たち』のイ・ソンビン。物語は、ジャガイモ一筋の研究員ミギョン(イ・ソンビン)が働く食品会社が企業買収され、冷徹で原則主義の理事ベクホ(カン・テオ)が現れたことから巻き起こるヒーリング系ラブコメディだ。本稿では、クライマックス目前となった、第9話、第10話を中心にご紹介したい。(以下、ネタバレを含みます)
ミギョンは6年前、ソンニョ食品のジャガイモ研究所で働く前に、企業買収を仕掛けたウォンハンで働いていた。その頃は、現在ウォンハンの戦略企画室専務であるギセ(イ・ハクジュ)と交際中で、結婚を間近に控えていた。
ミギョンは、海外研修から帰国するギセを迎えに空港に出向くも、彼は「同期と食事に行く」と現れなかった。数日後、ミギョンは、ギセから突然結婚式の招待状を渡される。そこには、「新郎パク・ギセ、新婦ユン・ヒジン(チョン・シネ)」 の名が記されていた。
ミギョンは、ギセに二股をかけられ、フラれてしまったのだ。傷心のミギョンに追い打ちをかけるように、左遷人事により、辞職するように仕向けられたミギョンは泣く泣くウォンハンを退職した過去があった。これまでの物語の中で、ミギョンがギセのことを恨んでいることは分かっていたが、突然招待状を突き出すというギセの行動はあまりにも酷い。ギセが自分でスレギ(韓国語でゴミ、クズという意味)だというのも納得だ。
ミギョンは、ベクホと共に、社用でウォンハン本社に出向くが、ギセとヒジンに遭遇して過去を思い出す。さらに、デート中のミギョンとベクホは、ヒジンと偶然出会い、彼女からギセとの出会いを聞かされる。動揺したミギョンは、先約があったと嘘をつき、ベクホとのデートを切り上げ帰ってしまう。ベクホは、ミギョンの様子を訝しむが、彼女に聞くことができずに見送ってしまう。せっかくのベクホとのデートが台無しになってしまった。
元気のないミギョンを元気づけようと、ベクホは彼女を、満開のジャガイモの花が咲く畑に連れて行く。そして、ミギョンの前で膝まずく。プロポーズかと慌てるミギョンに、「以前、正式に交際を申し込めと言われました。それを忠実に履行している」と言い、彼女に想いを込めたキスをする。
カン・テオの真剣な眼差しに、原則主義の男が「真剣に愛する女性」と決意した光が宿っているのが分かる、瞳の演技力に引き込まれる。ベクホは、中途半端なことはしない男なのだ。整理整頓が好きで、いい加減なことをそのままにしておけない男、ベクホ。そのベクホが、ミギョンに交際を申し込み、自らキスをしに行くのは、ベクホにとってミギョンが完全に愛する人になったという証だ。
カン・テオの大きな手が、イ・ソンビンの小さな顔を撫でるように頬と首に当てられる。もちろんカメラはカン・テオの手のアップだ。キスの前に、ゆっくりと目と目で会話しているのもとてもいい! 韓国ドラマでは、キスシーンを引きではなく、大アップで撮るのが特徴的だ。本作でも、ふたりのおでこがフレームからはみ出るほどのアップで、美しいキスシーンを演出している。