なにわ男子 高橋恭平だから担えた重要な役 『御上先生』で放つ”職業俳優”と異なるオーラ

 それにしても、この役どころを担うのは相当な困難があるのではないかと思う。第8話に至るまでセリフはないし、ほかの俳優とのやり取りがあったわけでもない。端的にいって、誰にでも務まるものではないだろう。“謎の青年”であり続けるというのはかなり難しい。作劇や登場するシーンの演出によって私たちは彼のことを特別な人物なのだろうと認識してきたわけだが、実際にそう視聴者に印象づけるのは容易ではないはず。意味深な登場の仕方をしたとはいえ、これだけ出番がなかったのだ。場合によってはその存在が忘れられてしまうかもしれない。

 けれども私たちは、“高橋恭平=戸倉樹”がいずれ本作のキーパーソンになってくるだろうと信じて止まなかったのではないだろうか。こう信じさせるのは、やはり容易ではない。繰り返すように、登場シーンはごくわずかなものだったのだから。戸倉の存在が私たちの印象に強く残り続けてきたのは、やはりこの役に扮しているのが高橋だからなのだろう。“キャスティングの妙”とでもいうべきだろうか。

『御上先生』堀田真由&高橋恭平の起用理由を飯田Pが明かす 第3話以降の見どころも

1月26日放送の『御上先生』(TBS系)第2話では、第1話冒頭で描かれた国家公務員総合職の試験会場で起きた刺殺事件の犯人が判明。…

 広く知られているように、高橋はなにわ男子に所属するアイドルである。やはりというべきか、画面に映し出されるその姿からは、職業俳優とはまた違う力を持っているのを感じる。アイドル活動の中で培ってきたものなのだろう。佇まいだけで魅せる力、その身にまとう空気感(=オーラ)で伝える力は、やはり“見られる”ということに対する意識の高さから生まれているに違いない。演じる技術だけでは表現しきれないもののはずだ。戸倉は只者ではない、今後のキーパーソンであるーーそんな予感を、高橋はごくごくかぎられた瞬間だけで私たちに抱かせてみせたわけだ。

 さて、“高橋恭平=戸倉樹”はどう動くのか。ここから求められるのは、佇まいよりも演技による表現力だ。俳優としての高橋の大きなステップに必ずやなるのだろう。

参照
https://www.tbs.co.jp/mikami_sensei_tbs/chart/

■放送情報
日曜劇場『御上先生』
TBS系にて、毎週日曜21:00~21:54放送
出演:松坂桃李、奥平大兼、蒔田彩珠、窪塚愛流、吉柳咲良、豊田裕大、上坂樹里、髙石あかり、八村倫太郎、山下幸輝、夏生大湖、影山優佳、永瀬莉子、森愁斗、安斉星来、矢吹奈子、今井柊斗、真弓孟之、西本まりん、花岡すみれ、野内まる、山田健人、渡辺色、青山凌大、藤本一輝、唐木俊輔、大塚萌香、鈴川紗由、芹澤雛梨、白倉碧空、吉岡里帆、迫田孝也、臼田あさ美、櫻井海音、林泰文、及川光博、常盤貴子、北村一輝
脚本:詩森ろば
脚本協力:畠山隼一、岡田真理
演出:宮崎陽平、嶋田広野、小牧桜
プロデュース :飯田和孝、中西真央、中澤美波
教育監修:西岡壱誠
学校教育監修:工藤勇一
製作著作:TBS
©︎TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/mikami_sensei_tbs/

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