大森立嗣、増子直純、水道橋博士らが絶賛 足立正生監督作『逃走』著名人コメント
足立正生が監督・脚本を務めた古舘寛治主演映画『逃走』に各界の著名人がコメントを寄せた。
本作は、半世紀に及ぶ逃亡の末に2024年1月29日に病院で亡くなった、東アジア反日武装戦線元メンバー・桐島聡の半生を描く人間ドラマ。
「偽名で生きた内田洋から桐島聡への回帰、そこには多くの謎があり、逃亡生活の終焉と自らの死を予感した“革命への確信”その証は、映画でしか描けない」と始まった本作のプロジェクトは、足立監督が自ら脚本も担当し、夏にクランクイン。早いスピードでの劇場公開となる。
足立監督と日本大学芸術学部映画学科からの学友であり、是枝裕和監督作品や多くのテレビドキュメンタリー、記録映画などのカメラマンとして知られる山崎裕が撮影監督を務め、ロフトグループの創業者・平野悠がエグゼクティブプロデューサーとして参加。大友良英が音楽を手がけた。
コメントを寄せたのは8名。映画監督の大森立嗣は、「内田洋が桐島聡と名乗ったとき、爆弾は爆発した。爆煙去った後、見えてきたのは、足立正生だった。未だ、現役の革命家として。必見!」と称賛し、タレントの水道橋博士は、「人に思想あり、人に歴史あり、映画に歴史あり、役者に履歴あり。この映画に関わる役者&スタッフの罪状は前科に相応しい。それは映画史的には後進に志を継ぐ『誇らしき前科』と呼びたい」と足立監督を称えている。
また、3月15日の公開初日には池袋シネマ・ロサと渋谷ユーロスペースで初日舞台挨拶が開催されるほか、3月16日以降もユーロスペース、横浜シネマリンでトークイベントが開催される予定だ。
コメント
サエキけんぞう(作詞家・アーティスト)
駅、交番、掲示板⋯⋯⋯21世紀になってもなお街角で必ず見かけ続けた桐島聡の面影。彼がどんな風な生活逃亡を続けたのか?誰もが一度は想いをめぐらしたのではないだろうか?その期待に応える内容。知られざる新左翼のミーティング・シーンなど、70年代を知る者には既知感にあふれた再現ぶりだ。男なら一度は考えるだろう「何者でもないように身を隠す逃走生活」に浸る後半は、運動家に転生したような気分になる、真摯に描かれた作品だ。
空音央(映画監督)
物心ついた頃から桐島聡の笑顔が日本中に張り巡らされていた。かすれたポスターの彼の笑った顔はもはや風景の一部だった。彼が本名を名乗って死に、ポスターもなくなった。彼は何を思い、何を感じて生きていたのか?深い慈悲を感じさせるこの映画はそんな想像を掻き立ててくれた。
松永天馬(アーバンギャルド╱松永天馬のA研!)
人は誰でも15分間スターになれると言ったのはアンディ・ウォーホルだが、
桐島聡は半世紀に及んで誰もが知る顏であり続けた。
あなたの隣にもいるかもしれない長髪、メガネのその男は、
時代に強烈な印象を残したまま世を去り、今、映画になったのだ。
本人としての人生と偽りの人生……指名手配犯は二度死ぬ。
大森立嗣(映画監督)
コスパやタイパと言われる今、過剰な自己愛に矮小化された世界に、桐島聡は爆弾を懐に、逃走していた。繰り返される自己との対話、格闘は、決して自己愛ではない。即、この世界と繋がっている。映画は外へ、外へと向かうべきなのだ。内田洋が桐島聡と名乗ったとき、爆弾は爆発した。爆煙去った後、見えてきたのは、足立正生だった。未だ、現役の革命家として。必見!
雨宮処凛(作家・反貧困活動家)
「あなたにこの半世紀の日本はどのように見えていましたか?」それを彼には聞きたかった。青春の、そして革命の代償をたった一人で背負った桐島聡。足立監督にしか作れなかった映画に、ただただ圧倒されている。
増子直純(怒髪天/ミュージシャン)
人は狂う。「正義」に熱く狂う。時代、宗教、思想により常に移りゆく不確かなものである事を知りながらも。そこには命を賭けるだけのロマンがあるのだろう。桐島氏は理想に夢に一途に生きられたのだろうか?激しい葛藤の嵐の中にあっても自分の正義を信じ抜けたのだろうか?彼もまた正義の被害者だったのではないか?「幸福」を求める闘争の結果、誰も幸福になっていない結末に人は何を思うのか?
宙也(ロック歌手)
革命と宿命と闘争と逃走だ。
死に際に吐いた毒がナイスだ。
運命より革命のほうが好きだ。
個としての革命こそ美しいと思った。
近隣で催されてたパンクフライヤー展へ行くと若かりし自分写を発見した。
自分の指名手配ポスターを見る桐島の気分になった。
新宿ロフトのフロアでナンパしたくなった。
オレ革命は続く。
水道橋博士(タレント)
昭和の時代に監督デビューしてパレスチナゲリラを映画化した後、日本赤軍を創立し国際指名手配されアラブに逃走していた85歳の監督が、昭和の時代に連続爆破テロで指名手配され、れいわの時代まで逃走し、死去によってと逃走と闘争を終えた指名手配犯・桐島聡の逃走を撮る。
この必然的な物語をも事件であり映画である。
かつて映画こそゲリラ戦であった——。
人に思想あり、人に歴史あり、映画に歴史あり、役者に履歴あり。この映画に関わる役者&スタッフの罪状は前科に相応しい。それは映画史的には後進に志を継ぐ「誇らしき前科」と呼びたい。
■イベント情報
映画『逃走』公開記念舞台挨拶
日時:3月15日(土)10:15回上映終了後
会場:池袋シネマ・ロサ
登壇者:古舘寛治、杉田雷麟、足立正生監督
日時:3月15日(土)
12:15回上映終了後
14:50回上映前
会場:ユーロスペース
登壇者:古舘寛治、杉田雷麟、足立正生監
映画『逃走』トークイベント
日時:3月16日(日)10:00回上映終了後
会場:ユーロスペース
登壇者:タモト清嵐、足立正生監督
日時:3月16日(日)14:30回上映終了後
会場:横浜シネマリン
登壇者:タモト清嵐、足立正生監督
日時:3月17日(月)12:20回上映終了後
会場:ユーロスペース
登壇者:足立正生監督、山崎裕(本作撮影監督)
日時:3月20日(祝木)12:20回上映終了後
会場:ユーロスペース
登壇者:中村映里子、足立正生監督
※今後も舞台挨拶は追加予定
■公開情報
『逃走』
3月15日(土)ユーロスペースほか全国順次公開
出演:古舘寛治、杉田雷麟、タモト清嵐、吉岡睦雄、松浦祐也、川瀬陽太、足立智充、遊屋慎太郎、小橋川建、神嶋里花、永瀬未留、さいとうなり、伊島空、東龍之介、神田青、瓜生和成、宮部純子、大川裕明、小水たいが、浦山佳樹、枝元萌、木村知貴、内田周作、佐藤五郎、岩瀬亮、輝有子、信太昌之、大谷亮介、中村映里子
監督・脚本:足立正生
エグゼクティブプロデューサー:平野悠
統括プロデューサー:小林三四郎
プロデューサー:藤原恵美子
アソシエイトプロデュ―サー:加藤梅造
撮影:山崎裕
音楽:大友良英
挿入曲:「DANCING 古事記」(山下洋輔トリオ)
企画:足立組
企画協力:寺脇研
キャスティング:新井康太
製作:LOFTCINEMA、太秦、足立組
配給:太秦
2025年/日本/DCP/5.1ch/114分/英題:Escape
©「逃走」制作プロジェクト 2025
公式サイト:kirishima-tousou.com