中村アンの中で変化した“演じること”への思い 「楽しいと思える瞬間に出会えるように」
少しずつ“自分”に縛られずに演じられるようになった
――2015年に『5→9~私に恋したお坊さん~』(フジテレビ系)で連続ドラマに初めてレギュラー出演されてから、まもなく10年が経ちます。
中村:当時はバラエティで「髪をかきあげる」という1個のキャラクターができていて、ビジュアルも含め“そのままの感じ”で役をもらっていました。少しきらびやかだったり、“中村アン”を活かした役ですよね(笑)。そこから、わからないなりにいただいたお仕事にしがみつきながら、「お芝居ってどういうことなんだろう」と思い続けて。バラエティを中心に出たときには「自分を出す、表現する」というイメージでしたが、お芝居では役としてその人を生きたり、表現することになるので、私の中では真逆の感覚だったんです。でも、髪の毛を切ったあたりから少しずつ“自分”に縛られずに演じられるようになって、今では「お芝居を頑張りたい」という気持ちがより強くなっています。
中村アン「姿を消せていたとしたら嬉しい」 『着飾る恋』でイメージ脱却の裏側を明かす
主人公の“着飾る女”こと真柴くるみ(川口春奈)が、シェアハウスで暮らす価値観の違う人々との関わりを通して、鎧を脱ぎ捨て、自分らし…――『着飾る恋には理由があって』(TBS系)の頃ですよね。当時のインタビューでは「中村アンから解放された」とおっしゃっていましたが、そこからまた数年経って、今は自由さも感じていますか?
中村:そうですね。今、髪を切って4年目くらいかな。たとえば今髪を伸ばしても、あのときとは違う自分になれる気がしますし、いろんなことに恐れず飛び込んでいけたらいいなと思います。年齢を重ねて、知恵や経験が増えることで、いろいろと考えちゃうことも増えました。でも、現場では毎回違った出会いがありますし、これからもフレッシュな気持ちで臨みたいと思っています。
――ここから10年先の未来を考えるようなことはありますか?
中村:ありますね。20代はいい意味で何も考えずにとにかく山を登っていく感じでしたけど、30代になって自由が増えたり、自分のことがなんとなくわかって楽しくなってきたりする一方で、将来について漠然とした恐怖を感じることもあるんです。ただ、あまり考えても人生なんてわからないので、目の前のことに注力するしかないのかなって。とはいえ意志がないと切り拓いていけないので、しっかりと軸を持ちながら、流れに身を任せながら、これからも進んでいけたらいいなと思います。
■放送情報
連続テレビ小説『おむすび』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00〜8:15放送/毎週月曜〜金曜12:45〜13:00再放送
BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜8:15〜9:30再放送
BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:橋本環奈、佐野勇斗、仲里依紗、麻生久美子、北村有起哉
語り:リリー・フランキー
主題歌:B'z「イルミネーション」
脚本:根本ノンジ
制作統括:宇佐川隆史、真鍋斎
プロデューサー:管原浩
写真提供=NHK