『ホットスポット』今後も豪華ゲストが登場? 小田玲奈Pが明かす伏線だらけの舞台裏
『ホットスポット』キャステイングの経緯
――市川実日子さんがバカリズムさんの作品に出演するのは今回が初めてですが、主演に迎えることになった経緯を教えてください。
小田:市川さんはこれまでもお声がけしていたのですがタイミングが合わなくて、今回はタイミングが合ってお引き受けいただけました。脚本をしっかりと書き始める前の段階で、私や監督を含めて升野さんと市川さんの2人を引き合わせる機会があったんです。升野さんは『シン・ゴジラ』の印象が強かったのか、もっとクールな感じだと思っていたそうなんですが、会ってみたらよく笑う方で、驚いていました。その感じを、清美の役としても出せたのはよかったですね。だいぶ清美のキャラクターも柔らかくなった感じはありました。
――角田晃広さんのキャスティングについてはどういった狙いがあったのですか?
小田:キャスティングの前に、升野さんが思いついていたアイデアとして、宇宙人が頭脳系の能力を使うと頭がハゲるというのがありました。これは第4話のエピソードに出てきますけど、それをやりたいからというので、割とおでこが広い人、髪の毛が薄い人を探していて(笑)。「角田さんがいいです」と連絡がきました(笑)。角田さんとは『侵入者たちの晩餐』でご一緒していたので心配はありませんでした。
――バカリズムさんの作品の常連組が出演していて嬉しいというような声が視聴者からも挙がっていますが、キャスティングに関してはバカリズムさんからのリクエストもあったりするのでしょうか?
小田:升野さんから「◯◯さんみたいなイメージ」というアイデアがある時もあれば、私たちの方から提案することもあります。その人が何話出るのか分からない時があって、ドキドキしながらキャスティングしています。大抵の連ドラはレギュラーメンバーが決まっていて、相関図もある程度は決まっていますが、『ホットスポット』は毎回相関図の更新が止まらないんです。朝ドラみたい(笑)。おかげさまで『ブラッシュアップライフ』が多くの人に観てもらえたので、役としてどれぐらい広がるか分からなくても、一緒に船に乗ってくれる人が増えたというのはあります。正直、常連組の人たちは信じてくれているというか。一定期間空けてたのに全然出ないかもしれないというのは、私がマネージャーだったら怖いと思うから。常連組が出てくれて嬉しいと言ってもらえて、私も嬉しいです。さっき、木南さんと紙さんのインタビューを撮っていたんですけど、紙さんは木南さんが初めて来た時、部活の先輩が来た感覚でちょっと緊張したと言っていました(笑)。逆に木南さんは今回の現場に少し遅れて来たので、出来上がったチームに入っていくのはちょっと不安だったけど、すんなり入れたと話していました。また会えたという感覚はスタッフも同じで、衣装合わせの度に「会いたかったよ!」みたいな雰囲気になっていますね。
『ホットスポット』に込められた演出意図
――『ホットスポット』を通じて伝えたいテーマやコンセプトはありますか?
小田:升野さんはテーマとかを聞かれてもすぐに「ないです」とおっしゃると思うんですけど、私の中では、升野さんは「華やかではなくても私たちの周りにある地元や日常の中にある幸せ」を描いていると思っています。それは『ブラッシュアップライフ』はもちろん『生田家』も『住住』も、私がご一緒していない『架空OL日記』(読売テレビ・日本テレビ系)もそう感じます。ビジュアル的な面では、演出の水野もこだわっていて、富士浅田市は架空の町ですが、地元の人はみんな髪の毛が真っ黒なんです。みなさん美容院に行って黒に染めてもらっているんですけど、少しレトロに見えるようにして、それは何を表現したいかというと、地元の結束や強さ。別に敵というわけではないですが、東京からやってくるテレビディレクターの岸本は金髪で松崎は茶髪なのは、よそ者が入ってきた異物感を画でも見せようという意図があって、それが第5話からは分かりやすくなります。
――現時点で発表していない、さらなる出演者というのはいらっしゃいますか?
小田:池松さんのほかにも、「まだこんな人が出てくるのか」と驚いていただけると思います。改めて全相関図を見て、みんながしみじみ「ヤバいドラマだな」と。私も震えています(笑)。
――それは安藤サクラさんが出るとか……!?
小田:それはどうでしょう。私も出てほしいです。
――現段階で結末はもう決まっていますか?
小田:結末は決まってます。これだけは言えるのは、悲しいラストにはならないということ。『ブラッシュアップライフ』も『侵入者たちの晩餐』もそうでしたけど、みんなが笑って、よかったねと言ってもらえることを升野さんは目指しているというか。例えば『ブラッシュアップライフ』の第8話はなっちとみーぽんが飛行機事故に遭うというショックな回ですけど、第8話の最後は麻美が親友を救うためにもう一度人生をやり直す、その保育園時代に「宮岡さんは既婚者」という“おなじない“を玲奈ちゃんにすり込ませて、それがそのままだるまさんが転んだの掛け声に使われる、ドラマの中でもかなり笑えるシーンを悲しいシーンの後ろにあえて入れてるんです。ちょっと尺を詰めてでも最後は笑って終われるようにする、その意識はすごく感じます。なので全話を通しても後味悪いみたいなことはないと思うんです。
『ブラッシュアップライフ』チームと脚本・バカリズム再びタッグを組むオリジナルドラマ。ビジネスホテルに勤めるシングルマザーの主人公・遠藤清美が、ある日、ひょんなことで宇宙人に出会ったことから物語が展開していく。
■放送情報
『ホットスポット』
日本テレビ系にて、毎週日曜22:30~放送
出演:市川実日子、角田晃広(東京03)、鈴木杏、平岩紙、田中直樹、夏帆、野呂佳代、小日向文世、白石隼也
脚本:バカリズム
演出:水野格、山田信義、松田健斗
プロデューサー:小田玲奈、小田井雄介、櫻井雄一、野田健太
チーフプロデューサー:道坂忠久
音楽:fox capture plan
企画協力:マセキ芸能社
制作協力:ソケット
©日本テレビ
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