『その女、ジルバ』から『アンメット』『秘密』へ 池脇千鶴、際立つ演技力で開く新章

 2021年1月から3月にかけて放送された『その女、ジルバ』は現在の池脇に通じる作品である。池脇は物流倉庫で働く新を演じた。生気がなく打ちしおれていた新が、偶然の出会いから中高年が集う「OLD JACK & ROSE」のホステスとなり、新しい人生の一歩を踏み出す。「女は40から」が合言葉の同作で、池脇は主人公の変化を通じて、等身大の女性を体現した。『その女、ジルバ』の池脇は年齢を重ねた円熟味があり、同時に背負ってきたイメージを脱ぎ捨てる清新さがあった。

池脇千鶴の変化していく姿が与える勇気と希望 『その女、ジルバ』は“再生の物語”に

「ホステス求ム! 40才以上」  40才“以上”? 40才“以下”の間違いではなくて?……と思わず目を疑ってしまうようなチラシ…

 求められていることに全力で応える意識は変わらないと思うが、現在の池脇は、虚心坦懐に演じることと向き合っているように見える。そうなったときに、持ち前の演技力がさらに際立つ。『アンメット』や公開中の『サンセット・サンライズ』でも、さりげなく作品の重要なパートを担っていた。また、飾り気のない姿は、外見によって価値を測られるあり方に無言でノーを突き付けているようですらある。過去の自分すら置き去りにして、役者として自然な歩みの延長上に現在の池脇はいる。

 池脇によると、『秘密』第2話は眼鏡型カメラを装着して撮影されたそうだ(※)。ドラマ本編には演技とともに、演じる池脇自身の視点も加味されている。そこにどんな光景が広がっているか、とても興味深い。女優として新章に入った池脇が差し出す感情に注目したい。

参照
https://realsound.jp/movie/2025/01/post-1909585.html

秘密~THE TOP SECRET~

人気漫画『秘密-トップ・シークレット-』を実写ドラマ化するヒューマンサスペンス。科学警察研究所の法医第九研究室、通称“第九”を舞台に、室長の薪剛と新米捜査員の青木一行のバディが、解決不可能とされていた事件の真相を解き明かしていく。

■放送情報
『秘密~THE TOP SECRET~』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週月曜22:00~22:54放送
出演:板垣李光人、中島裕翔、門脇麦、高橋努、鳴海唯、利重剛、眞島秀和、國村隼ほか
原作:清水玲子『秘密-トップ・シークレット-』『秘密 season0』(白泉社『メロディ』連載)
脚本:佐藤嗣麻子
演出:松本佳奈、宝来忠昭、根本和政、稲留武
プロデューサー:豊福陽子、近藤匡、近藤多聞
音楽:小島裕規“Yaffle”
主題歌:「Iris」BUDDiiS(SDR inc.)
オープニング曲:「ナンセンス」Penthouse(ビクターエンタテインメント)
制作協力:C&Iエンタテインメント
制作著作:カンテレ
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