見上愛「心に届くような物語を」 “初めてづくし”の朝ドラヒロインとしての覚悟
『風、薫る』というタイトルは、和歌や俳句などで古くから親しまれてきた言葉で、花や草木の香りをまとった風が、新緑の中を爽やかに駆け抜ける、といった様を表している。ドラマの主人公たちがそんな風をたっぷりと受けて、今度は自分たちがやがて風のような存在となって人々に温もりを届けていく。そして、視聴者にも新鮮で心地の良い風を届けたいという思いが込められていると、制作統括の松園は説明する。NHK大河ドラマ『光る君へ』でも制作統括を務めていた松園は、そこで見上と一緒になっている。見上が演じた藤原彰子という役への向き合い方、豊かな表現力、人の目を引く存在感、フランクでチャーミングな人柄が今回の主人公役への抜擢に繋がったようだ。
見上愛、『光る君へ』で最も“変貌”した人物に “強さ”を身につける彰子から目が離せない
NHK大河ドラマ『光る君へ』で見上愛演じる中宮彰子の変化が止まらない。藤原道長(柄本佑)と源倫子(黒木華)の長女として大切に育て…吉澤については、「描くドラマに希望とか生きようとする力が溢れている」とその作品の魅力を語り、「看護という世界を取り扱うにあたって、どうしても病や人の生死を描く部分が出てきます。だからこそ、ドラマの中で生きる人々の希望や生きようとする力を大切にしたいと思い吉澤さんにオファーしました」と述べた。
もう一人の主人公・大家直美役のオーディションは、 本日から募集を開始し、2月中旬締め切り、4月までオーディションを行う予定。原案は、田中ひかる著作の『明治のナイチンゲール 大関和物語』。残っている資料が少なく、今回は“モデル”という形ではなく、2人のトレインドナースをモチーフに、史実からは変更を加えている部分が多くなる予定。舞台は大関和の出身地である栃木県になるが、史実ではない部分をフィクションとして扱うため、栃木県の那須地域にある架空の街を舞台にする。
子役時代は描かない予定で、栃木県でのロケも行いたい思いはあるが、まだ確かなことは言えないと松園は話す。ダブル主演ということでは、三倉茉奈、三倉佳奈の2人が主人公を演じた平成20年度後期、第79作『だんだん』以来となる。松園は「大切な誰かの手の温もりやその尊さを感じられるようなドラマにしたいと思っています」と制作統括として『風、薫る』にかける思いを伝えていた。
■放送情報
2026年度前期 NHK連続テレビ小説『風、薫る』
NHK総合にて、2026年春~放送
出演:見上愛
作:吉澤智子
原案:田中ひかる『明治のナイチンゲール 大関和物語』
制作統括:松園武大
プロデューサー:川口俊介
演出:佐々木善春 橋本万葉ほか
写真提供=NHK