『おむすび』見習いたいルーリーの“強さ” 生き抜くために大切な“ギャルマインド”
「ここを自分の家だと思ってくれて構わないから」という愛子(麻生久美子)の大きな懐に飛び込み、ルーリーはまるで実の娘のように米田家で暮らす。洗面台にも自分の化粧品道具を大量に置きっ放しにするルーリーを、もしかしたら図々しく思う人もいるかもしれない。だが、筆者はたくましいなと感じた。
働いていた会社が倒産し、仕事もお金もなくなっても決して腐らないルーリー。日本人はどうしても人に頼るのは迷惑をかけることと思い、一人で思い詰めてしまうことも多い中、彼女のように堂々と仲間を頼って身を立て直せるのは、ある種の強さだ。
また、ルーリーが置かれた状況はさくら通り商店街の人々にとっても他人事ではない。近頃、商店街のお店の売り上げは減少。跡継ぎがおらず、店を閉めるケースも出てきた。そんな中、商店街の一角に大きなショッピングモールの建設計画が上がる。もしもショッピングモールができたら、ますます客足が遠のいて、さらに閉店する店が増えるかもしれない。建設予定地には孝雄(緒形直人)の靴屋も含まれており、それぞれに決断の時が来ている。世の中は絶えず変化していくが、大事なのは自分を貫き、何が何でも幸せになるというギャルマインドなのかもしれない。
■放送情報
連続テレビ小説『おむすび』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00〜8:15放送/毎週月曜〜金曜12:45〜13:00再放送
BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜8:15〜9:30再放送
BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:橋本環奈、仲里依紗、北村有起哉、麻生久美子、佐野勇斗、藤原紀香、三宅弘城、萩原利久
語り:リリー・フランキー
主題歌:B'z「イルミネーション」
脚本:根本ノンジ
制作統括:宇佐川隆史、真鍋斎
プロデューサー:管原浩
写真提供=NHK