『光る君へ』吉高由里子、まひろの周明への思いを語る 「ポロってあふれちゃった」

 吉高由里子主演の大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合)。公式サイト内には出演者の撮影現場からのコメントが聞けるキャストインタビュー動画「君かたり」が公開されている。第46回「刀伊の入寇」の放送後には、双寿丸役の伊藤健太郎、藤原隆家役の竜星涼、そしてまひろ/紫式部役の吉高由里子が登場した。

 第46回では、まひろ(吉高由里子)が亡き夫が働いていた大宰府で、かつて越前で別れた周明(松下洸平)と再会する。越前にいた頃、まひろと周明はお互いに惹かれ合う何かを感じていたように見えたが、周明は宋のためにまひろの命を脅かしたことがある。まひろも周明も、再会を果たした直後はその面持ちに複雑な心境がうかがえる。

 まひろを演じる吉高はインタビューにて、再会した瞬間の感覚について「懐かしさもあるし、当時の記憶がブワ〜っとよみがえる、開けていいのか悪いのかよくわからない、玉手箱みたいなのを開けてしまうような気持ちにもなったんじゃないかな」とコメント。しかし後にまひろと周明が語らう場面でも感じ取れたことだが、2人の間に流れる空気は穏やかだった。吉高はこう話している。

「何よりもいい薬は時間なのかなっていうくらい二人とも穏やかに、今までの空白を埋めていったような感じの距離感で、より大人になってお互いの話をできたんじゃないかなっていうふうに感じましたね」

 一方で、吉高がインタビュー内で話していたように、まひろと周明は「どうしようもなく詰められない距離感」の2人であり、20年ぶりに再会した今もそれは変わらない。けれど、まひろが周明の前で思いを吐露する場面では、2人の関係性があってこそまひろは素直な心情を打ち明けることができたといえる。

 周明から道長(柄本佑)について問われ、言葉を返すうち、まひろの顔つきは徐々にもの悲しげなものになる。「私はもう終わってしまったの……」「終わってしまったのに、それが認められないの……」と発するまひろの目には涙が浮かんでいた。吉高の台詞の言い回しや繊細な表情の変化に、自分が受け止めていた以上のむなしさや悲しさがこみあげてきて、どうしようもなくなる様が感じ取れた。

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