『チ。―地球の運動について―』を実写化するなら? キャスティング候補を妄想してみた
15世紀頃のヨーロッパを題材として、“異端”とされる思想に没頭した人々の姿を描き出す物語『チ。―地球の運動について―』。10月からはNHK総合にてTVアニメの放送が始まり、大きな話題を呼んでいる。
もし同作を実写化するなら、どんなキャスティングがふさわしいだろうか……。あくまで妄想ではあるが、今回は作中に登場するキャラクターたちを上手く演じてくれそうな実写キャストについて考えてみたい。
あらためて作品の内容について振り返っておくと、同作は1人の神童・ラファウの物語から始まる。優秀な成績から最重要学問である神学の専攻を当然視されていた彼が、「禁じられた研究」を行っていたという異端者・フベルトと出会い、世界が一変するような知識を得ることに。それが異端思想とされる地動説だ。
作中ではこの地動説を弾圧しようとする権力と、その正しさを確信し、自身の命をかけて研究を完遂しようとする人々との対立が繰り広げられる。そしてそんな物語を通して、どんな状況にあっても世界の真実を追い求めようとする人間の心の強さ、美しさが描き出されていく。だからこそ、生身の人間が演じることによって迫力が出るのではないか……とも思われるのだ。
ただ、同作の舞台ははるか昔のヨーロッパなので、日本人キャストでそのリアリティをどこまで表現できるのかは未知数。言ってしまえば、役者の力量次第ということになるだろう。
ラファウ
では、具体的に誰が同作の実写キャストに合いそうだろうか。まず主人公のラファウについては、大西利空を挙げてみたい。大西といえば2023年に『どうする家康』の森乱役で大河デビューを果たしたり、2024年1月から放送された『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』(TBS系)で西島秀俊演じる天才指揮者の息子役を好演したりと、目覚ましい活躍を見せる若手俳優。利発な少年を絵に描いたような佇まいなので、“大学に飛び級で入学を認められるほどの天才少年”役にはぴったりではないだろうか。
ポトツキ
そしてそんなラファウの義父であるポトツキの役は、ベテラン俳優の渡部篤郎で想像したくなる。ポトツキは優秀な息子を溺愛しつつも教会の圧力に苦悩し、その背景には重い過去も背負っているという設定。影のある俳優が映えそうな役どころだ。
フベルト
また、フベルト役としては豊川悦司の名前が思い浮かぶ。フベルトは“異端者”という言葉にふさわしい独特のオーラを放つ人物で、当初ラファウは彼のことを危険人物として警戒していたが、結局は人生が大きく変わるほどの影響を受けるのだった。そんな強烈な人物像に合う俳優は多くなさそうだが、豊川であれば異端者のオーラを見事に表現してくれるかもしれない。