真田広之が『SHOGUN 将軍』の成功を日本語で感謝 エミー賞授賞式のスピーチをおさらい

 「テレビ界のアカデミー賞」と呼ばれる第76回プライムタイム・エミー賞授賞式が、アメリカ現地時間9月15日(日本時間9月16日)に米ロサンゼルスで開催された。今回は真田広之がプロデュース、主演を務めた『SHOGUN 将軍』が主要部門を含む最多25部門にノミネートされ、主要部門でも大本命と目されるなか、史上最多の18部門を受賞し、お祝いムードとなっている。

 主要部門の授賞式に先立って、9月7日と9月8日には製作・技術に関わった人々に贈られるクリエイティブ・アーツ・エミー賞が開催され、『SHOGUN 将軍』は14部門を受賞した。そのうち編集賞、キャスティング賞、スタント・パフォーマンス賞など6部門でノミネートされた日本人7人が全員栄冠を手にしたことも話題になっている。そして大方の予想通り、プライムタイム・エミー賞では作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞を獲得し、合計で18部門受賞を達成した。

 ジェームズ・クラベルの小説『将軍』を原作とした本作は、真田が日本から時代劇に精通したスタッフや実力派キャストを呼び寄せ、ハリウッドの資本で制作された本格時代劇だ。これが国際的に評価されたことには大きな意味があり、今後のエンターテインメントを変えていく足がかりとなるのは間違いないだろう。

 ここでは、そんな快挙を達成した『SHOGUN 将軍』の真田広之やアンナ・サワイの受賞スピーチなど、注目トピックを紹介していく。

日本人およびアジア系女優初の主演女優賞を獲得したアンナ・サワイ

 日本に漂着したイギリス人船乗り、ジョン・ブラックソーン(コズモ・ジャーヴィス)は、吉井虎永(真田広之)から「按針」という名を与えられ、彼の家臣となる。アンナ・サワイが演じたのは、その按針の通訳の任を受けた鞠子だ。

 サワイは、名前を呼ばれると一瞬顔を歪め、涙を堪えながら壇上へ。そして彼女は「名前を呼ばれる前から泣いていました」と話し、ほかの候補者たちを見て育ってきた、彼女たちと名前を並べることができてうれしいと語った。そしてキャストやクルーに感謝を述べ、「真田さんは私たちのような(日本人の)俳優みんなのためにドアを開きつづけてくれました」と彼の業績を称えた。また、按針を演じたコズモ・ジャーヴィスについても「あなたは私の知る最も正直で誠実で、恐れ知らずな俳優です。あなたのおかげで120%の力を出すことができました」と称賛している。最後に母に愛と感謝を伝え、「この賞はすべての女性たちのものです」とスピーチを締めくくった。

関連記事