『虎に翼』土居志央梨が入山法子の悲しみに寄り添う 8年に及ぶ“原爆裁判”がついに結審

 よねは「声を上げた女に、この社会は容赦なく石を投げてくる」「傷つかないなんて無理だ。だからこそ、せめて心から納得して自分で決めた選択でなければ」と語る。逆風の中で戦ってきたよね自身が、それを誰よりも感じていただろう。口や手を出して何の責任も取らない人間や犠牲を強いる社会に自らを差し出して、あえて傷つく必要はない。よねの言葉は、第113話の「どの地獄で何と戦いたいのか、決めるのは彼女」と表裏一体である。苦しみを1人で抱えるミキに「あなたが謝ることは何もないんだ」と寄り添う姿には、苦しみ抜いた人間だけが持つことのできる優しさがにじみ出ていた。

 ミキの言葉は轟が代読することになったが、静かに読み上げる一語一語から、かえって原告が受けた苦痛の深さと原子爆弾のおぞましさが切実に伝わってきた。劇中で昭和30年に始まった原爆裁判は昭和38年3月に最終弁論が行われ、あとは判決を残すのみである。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『虎に翼』
総合:毎週月曜〜金曜8:00〜8:15、(再放送)毎週月曜〜金曜12:45〜13:00
BSプレミアム:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜8:15〜9:30
BS4K:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜10:15~11:30
出演:伊藤沙莉、岡田将生、石田ゆり子、岡部たかし、仲野太賀、森田望智、上川周作、平岩紙、三山凌輝、毎田暖乃、青山凌大、今井悠貴、和田庵、菊池和澄、名村辰、松川尚瑠輝、野添義弘、ドンペイ、滝藤賢一、松山ケンイチ
作:吉田恵里香
語り:尾野真千子
音楽:森優太
主題歌:米津玄師「さよーならまたいつか!」
法律考証:村上一博
制作統括:尾崎裕和
プロデューサー:石澤かおる
取材:清永聡
演出:梛川善郎、安藤大佑、橋本万葉ほか
写真提供=NHK

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