『ブラックペアン2』二宮和也の一人二役の意味がここに “心臓で繋がっていた”渡海と天城

 ところで先述した第1話のように、天城はすでに渡海のことを生き別れた双子であると知っており、東城大にやってきたことで彼に関する――同時にそれは天城自身に関することにもつながる――情報にたどり着くことになった。となると渡海のほうも、ずいぶん前から天城の存在を知っていたと考えるのが自然ではあるが、今回天城が仮眠室を捜索した直後に佐伯に電話を掛けてくるというシーンがある。渡海と親しかった猫田はすでに東城大を去っており、世良も佐伯の口から「渡海」という名が飛び出すのをドア越しに聞いて驚きの表情を浮かべている。となると、誰か渡海と通じている人物が東城大にいるということなのか。些細なことであるが、どうにも気になるところだ。

 さて、天城が倒れて“ダイレクト・アナストモーシス”によるオペが必要となり、佐伯は高階(小泉孝太郎)にも協力してもらい、エルカノを使ってそれを行おうとする。今回はダーウィンを併用した“エルカノ・ダーウィン”ではないにしろ、前回まで何度かに渡って描かれてきた医療AIという新技術は、東城大と維新大の争いの道具としてだけでなく、もっと重要な意味を為すものだったというわけだ。しかしそこで、冒頭でも触れた佐伯の目の異変――緑内障による視野の欠損だと明かされる――などによって続行が困難となり、颯爽とオペ室に現れる渡海(しかも東城大のユニフォームを着ている!)。やはり『ブラックペアン』という物語は、渡海のためにこそあるものなのかもしれない。

■放送情報
日曜劇場『ブラックペアン シーズン2』
TBS系にて、毎週日曜21:00〜21:54放送
出演:二宮和也、竹内涼真、葵わかな、キム・ムジュン、内村遥、今野浩喜、森田甘路、ヤマダユウスケ、松川尚瑠輝、水谷果穂、チェ・ジウ、田中みな実、石坂浩二、趣里、神野三鈴、橋本さとし、段田安則、小泉孝太郎、内野聖陽
原作:海堂尊『ブレイズメス1990』『スリジエセンター1991』(講談社文庫)
脚本: 槌谷健、守口悠介ほか
演出:西浦正記、加藤亜季子、伊東祥宏
音楽:木村秀彬
主題歌:小田和正「その先にあるもの」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
プロデュース:伊與田英徳、武藤淳、佐久間晃嗣
製作著作:TBS
©︎TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/blackpean_tbs/
公式X(旧Twitter):@blackpean_tbs
公式Instagram:blackpean_tbs
公式TikTok:@blackpean_tbs

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