『インサイド・ヘッド2』世界的大ヒット! その要因のひとつ“リピーター”が多い理由とは?

『インサイド・ヘッド2』リピーター多い理由

字幕版と吹替版、両方を楽しみたい!

 これは筆者自身が感じたことなのだが、本作は字幕版と吹替版どちらでも観たい。まずは何事もオリジナルの英語版で鑑賞する派の自分は普段、吹替版の優先度が低い。しかし『インサイド・ヘッド』では本来ライリーの嫌いなものが「ブロッコリー」として紹介されているのに対し、日本では「ピーマン」に置き換えられているなどローカライズされている部分があるのだ。そうなると、逆に何が変更されているのか気になってしまうのが人の性(さが)。一方、字幕版ではアイデアの電球が嵐のように降ってくるシーンを文字通り「ブレインストーミング」と言ったり、最後の脳内団欒シーンで「シンパイ」(Anxiety)が飲んでいるお茶の缶に「AnxieTEA」と書いてあったりと、英語だからこその表現が多く見受けられた。それゆえに、逆にこれらをどのように日本語にしているのか、その変換も気になってしまうのだ。これもまた一つ、リピート鑑賞の要因になっているかもしれない。

 そして英語版では『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シリーズでお馴染みのマヤ・ホークが「シンパイ」の声優を務め、その声色や早口台詞が高く評価されているのに対し、吹替版の多部未華子の声優としての演技とキャラクターとの声色の相性が世界で賞賛されている。何度も観たい作品だからこそ、2回目は言語を変えて観るのも良いかもしれない。字幕版と吹替版を切り替えるだけで、さらなる発見が楽しめそうだ。

 『インサイド・ヘッド』シリーズは、ピクサーにおいて久々に続編が制作された作品でもある。まさにピクサーらしい作品でありつつ、キャラクターデザインもかわいくて人気が高いため、『トイ・ストーリー』以来の3部作になる可能性も大いにありそう。実際、本作には新しい感情として「ナツカシ(ノスタルジア)」が登場するも、「まだ早い」と言われて出番を絶たれる場面も存在した。これはもしかすると、11歳、13歳を経てもっと大人になったライリーを描く上での伏線になるのか? いずれにせよ、今はまだ『インサイド・ヘッド2』のユニークなアニメーション技術や物語、キャラクターたちに想いを馳せることにしよう。

■公開情報
『インサイド・ヘッド2』
全国公開中
監督:ケルシー・マン
製作:マーク・ニールセン
製作総指揮:ピート・ドクター
日本語版声優:大竹しのぶ、多部未華子、横溝菜帆、村上(マヂカルラブリー)、小清水亜美、小松由佳、落合弘治、浦山迅、花澤香菜、坂本真綾、武内駿輔、花江夏樹、中村悠一
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
©️2024 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

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