吉高は、宣孝を失ったまひろの気持ちについて「（宣孝は）まひろの全部を知っていると思うから、本当に抜け殻みたいになっちゃうんじゃないかなっていうふうな気持ちでしたね」とコメントしている。“抜け殻”という表現に合点がいくほど、死を受け入れきれないまひろはうつろな顔をしていた。

　父の死をまだよく理解できていないであろう賢子が「父上は？」と問いかけた時、まひろの心の底から深い悲しみが溢れ出す。まひろが涙を流しながら賢子を強く抱きしめる姿はとても悲しかった。だが、吉高が「君かたり」の中で、結婚後のまひろと宣孝について振り返ったように、2人の関係は2人にしか築けない特別なものだった。吉高は「（宣孝は）年齢差とか関係ない人間の深さがある、包容力がある人だなって思いましたね」と話している。宣孝といる時の、リラックスしたまひろの面持ちが思い出される。

　まひろと宣孝、そして賢子の幸せな時間を見ることはもう叶わない。だが、道長（柄本佑）との恋とは異なる、宣孝とまひろにしか築けなかった愛は深く印象を残した。今後、まひろと賢子が日々を過ごす中で、宣孝の姿が度々思い出されることになるはずだ。

■放送情報
『光る君へ』
NHK総合にて、毎週日曜20:00〜放送／ 翌週土曜13:05〜再放送
NHK BS・BSP4Kにて、毎週日曜18:00〜放送
NHK BSP4Kにて、毎週日曜12:15〜放送
出演：吉高由里子、柄本佑、黒木華、井浦新、高杉真宙、吉田羊、高畑充希、町田啓太、玉置玲央、板谷由夏、ファーストサマーウイカ、高杉真宙、秋山竜次、三浦翔平、渡辺大知、本郷奏多、ユースケ・サンタマリア、佐々木蔵之介、岸谷五朗、段田安則
作：大石静
音楽：冬野ユミ
語り：伊東敏恵アナウンサー
制作統括：内田ゆき、松園武大
プロデューサー：大越大士、高橋優香子
広報プロデューサー：川口俊介
演出：中島由貴、佐々木善春、中泉慧、黛りんたろうほか
写真提供＝NHK