『アンチヒーロー』飯田Pが明かす“名前”に込めた思い 最終回の注目ポイント&撮影秘話も
最終回では、野村萬斎扮する検事正・伊達原と明墨が法廷で直接対決。萬斎の起用理由については、「日曜劇場らしい勧善懲悪の倒される敵というよりは、人間味や悲哀を伊達原という役に込めたかった」と打ち明ける。
映画『シン・ゴジラ』でも“敵対関係”にあった長谷川と萬斎だが、実は「そのことを完全に忘れててキャスティングしてしまった」と苦笑い。「もしかすると伊達原には、明墨に対して『ここまで来い』という思いがどこかにあったのかもしれない。そんな明墨正樹×伊達原泰輔の関係性が、長谷川博己×野村萬斎とシンクロしていて。最終回での掛け合いは、おふたりの関係性が影響しているところもあるのでは」とした。
また視聴者の間では、名前に“色”が入った人物が多数登場することも話題に。飯田プロデューサーは「明墨の“明と墨”は、白と黒。赤峰の“赤”は、熱量の高い色。紫ノ宮(堀田真由)の“紫”には、その2人を足したような冷静さと内にみなぎるものがある」と語り、その3色を掛け合わせるとドラマのテーマカラー(至極色)になるという。
続けて、「白木(大島優子)の“白”は純粋さ」、「青山(林泰文)の“青”は、爽やかな青なのか、少し黒が入った藍色なのか。人の感性によって、いろんなものに化けられる」、「緑川(木村佳乃)の“緑”はナチュラル。もともと街に潜んでいる色で、主張しすぎないけれど、そこにあるという存在が意味を持つ」とメッセージ。
「桃瀬(吹石一恵)の“桃”は、ドラマにおける愛の象徴です。なんだかんだこのドラマには愛というものが中心にある。人間が生きていく以上、愛が必ず動く動機になってくるので、そういった意味でも、桃瀬がこのドラマの軸になっているのではないでしょうか」
ドラマはいよいよ最終回。主演の長谷川に対しては「あらためて唯一無二の俳優さんだなと思いました。監督も交えて台本やキャラクターを作っていく中で、『ドラマ全体をよくしよう』『面白いものにしよう』という熱意と、周りを巻き込む力がある。引っ張るともまた違う、包み込む感じがあって、本当に尊敬しています」と思いを述べる。
「明墨は父親(志水/緒形直人)を冤罪犯に仕立て上げることで、少女(紗耶/近藤華)から家族を奪うことになってしまった。このドラマは、そんな明墨の“少女への想い”を救う物語」とした飯田プロデューサーは、「僕自身、2020年の12月に娘が生まれて、企画を立ち上げた段階から付け足した要素だったりするんです。志水、倉田(藤木直人)、伊達原、それぞれの父と娘の物語。自分が窮地に陥ったときに、自分自身にとって何が大切か、その感情に注目して見ていただけたらと思います。最終回の放送日は、父の日ですから」と呼びかける。
最後に「岩田剛典さんとのラストシーンが僕は本当に好きです。このドラマで言いたかったことが描かれている」と熱を込め、「プチ情報としては、青山さんの奥さんも出てきます(笑)」と締めくくった。
■放送情報
日曜劇場『アンチヒーロー』
TBS系にて、毎週日曜21:00〜21:54放送
出演:長谷川博己、北村匠海、堀田真由、大島優子、木村佳乃、野村萬斎
プロデューサー:飯田和孝、大形美佑葵
演出:田中健太、宮崎陽平、嶋田広野
脚本:山本奈奈、李正美、宮本勇人、福田哲平
音楽:梶浦由記、寺田志保
主題歌:milet「hanataba」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
法律監修:國松崇
警察監修:大澤良州
©TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/antihero_tbs/
公式X(旧Twitter):@antihero_tbs
公式Instagram:@antihero_tbs
公式TikTok:@antihero_tbs