『虎に翼』伊藤沙莉の「はて?」復活! 花岡との再会が思い出させた“自分らしさ”

 劇中では民法改正のまっただ中である。意見書を取りまとめる立花(伊勢志摩)と女性たちに寅子は鼓舞されただろう。第49話では男たちの考えが露見した。法律を遵守する花岡。ホーナー(ブレイク・クロフォード)の祖父母はユダヤ人で、猪爪家の子どもたちにチョコレートを持ってくるホーナーは戦争の犠牲者でもあった。政府の審議会では、神保(木場勝己)と穂高(小林薫)が火花を散らした。

 家制度の存続を訴える神保に対して、穂高は男性中心の家制度は平等に反すると反論し、両者の主張は真っ向から対立する。「婦人びいき」と神保に揶揄される穂高だったが、穂高自身も旧来の価値観を脱却していないことが判明した。

 教え子の寅子を穂高は気にかけていたのだろう。家族を戦争で亡くし、司法省で働く寅子が望まない仕事をして苦しんでいると、穂高は勝手に思い込んでいた。寅子が弁護士を辞めたとき、寅子にことわりなく穂高は上司の雲野(塚地武雅)に妊娠の事実を伝えた。本人不在で話を進めるのは今回も同じだった。ついさっき女性が審議会に加わっていないのはおかしいと指摘したばかりなのに、身近な人に同じことをしてしまう矛盾……。

 穂高に悪気はないと思うが、パターナリズムを無意識に発現させる穂高に思わず寅子の「はて?」が飛び出す。法律という翼を与え、奪った恩人に、寅子はどんな言葉を返すだろうか。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『虎に翼』
総合:毎週月曜〜金曜8:00〜8:15、(再放送)毎週月曜〜金曜12:45〜13:00
BSプレミアム:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜8:15〜9:30
BS4K:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜10:15~11:30
出演:伊藤沙莉、石田ゆり子、岡部たかし、仲野太賀、森田望智、上川周作、土居志央梨、桜井ユキ、平岩紙、ハ・ヨンス、岩田剛典、戸塚純貴、松山ケンイチ、小林薫
作:吉田恵里香
語り:尾野真千子
音楽:森優太
主題歌:米津玄師「さよーならまたいつか!」
法律考証:村上一博
制作統括:尾崎裕和
プロデューサー:石澤かおる
取材:清永聡
演出:梛川善郎、安藤大佑、橋本万葉ほか
写真提供=NHK

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