松下洸平は金曜夜の癒し時間にピッタリ 『9ボーダー』コウタロウの謎もついに明らかに?

 コウタロウ(松下洸平)の包み込むような笑顔と優しい声に、毎週心が癒されていく。そんな松下洸平の魅力がたっぷりつまった『9ボーダー』(TBS系)。序盤は3姉妹の“9ボーダー”なモヤモヤとした日常にフォーカスしていた本作だが、七苗(川口春奈)が仕事を辞めて「おおば湯」再建を目指すなど、一歩を踏み出しはじめた。さらにそれぞれの恋模様も急展開。まさに今から盛り上がるという最高のタイミングなのだ。

 そんな中、第1話から不思議な魅力で七苗の心を掴んできたコウタロウの存在から目が離せない。第4話までは、優しく、歌が上手くて穏やかな性格のコウタロウに惹かれつつも、どこかミステリアスで“妖精”のような要素が気になった。優しいがふわふわしていて掴みどころがない。加えて本人も記憶がないのだから、余計にどんな人物なのかが見えてきにくいのだ。

 しかし七苗との距離を大分縮めた第5話ごろからは以前ほどのミステリアスさは感じなくなる。七苗との未来を考え就職先を探すなど、むしろ地に足つけて現実的な生き方をするようになった。徐々に人となりが見えてきてからのコウタロウは、相変わらず特大の優しさで七苗を包み込む。いつでも前向きな言葉掛けや、まっすぐすぎる愛情表現は仕事に疲れている女性にはことさらグッと響くことだろう。七苗のように日々を懸命に駆け抜ける女性にとって、コウタロウはまるで暖かくて柔らかい毛布のような存在だ。

 さらに物語が回を重ねるごと人柄が深掘りされていくなかで、掴みどころのない魅力から地に足ついた優しさへと表情を変えていくコウタロウのキャラクターは秀逸としかいいようがない。七苗は出会ったころはミステリアスなところにキュンとするが、両思いになってからは堅実さを求めてしまう、ちょっと複雑な恋心にもしっかりと応えてくれているのだ。松下は、そんなコウタロウの変化を緩やかに、コウタロウらしさを崩さないまま表現する。この繊細な芝居こそが松下の持ち味なのだ。

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