『婚カツ!』から『ミス・ターゲット』まで 時代とともに変わる“婚活ドラマ”の変遷を辿る

 気づくと、“理想の相手と結婚するための活動=婚活”という言葉がすっかり浸透している。「婚活」をテーマにした2024年春クールのドラマでは、現在放送中の『ミス・ターゲット』(ABCテレビ・テレビ朝日0)を食い入るように視聴。筆者自身、独身時代に友人の紹介、合コン、婚活サイト、婚活パーティー、結婚相談所の他あらゆる手段でパートナーを探し、対面で話した男性は4年間で約1000人に上った体験をもとにしたエッセイ本『どうしても、結婚したかった。1000人の男性と出会った私の婚活ラプソディー』(発行:東京ニュース通信社/発売:講談社)を上梓したほど、すっかり婚活には詳しくなってしまった。

 だからこそ、“婚活ドラマ”があるとより注目してしまうのだ。『ミス・ターゲット』で主演を務める松本まりかは、原宿でのスカウトをきっかけに芸能界へ。2000年の女優デビュー後も下積みが長く続いたが、2018年のドラマ『ホリデイラブ』(テレビ朝日系)の怪演で注目を集めて開花した印象があるだけに、今回はさまざまな男性を手玉に取ってきた百戦錬磨の結婚詐欺師・朝倉すみれ役として、詐欺師が本気の婚活に乗り出すエンタメラブストーリーをどのように紡いでいくのか、ラストスパートに向けて注視している。

 そんな婚活をテーマにしたドラマを振り返ると多々あれど、平成の頃の婚活ドラマでは、当時SMAPのメンバーとして活躍していた中居正広が主演した月9ドラマ『婚カツ!』(2009年/フジテレビ系 )を思い出す。同ドラマは、働き盛りの30代で不況のため職を失った“草食男子”の雨宮邦之(中居正広)が、住んでいる区の臨時職員として採用されるも、採用条件が“既婚者”だったため、結婚予定があると嘘をつく。嘘がバレるとまた職を失い、彼の実家のとんかつ屋を継ぎたくないために、前途多難な婚活がスタートするというストーリー。中居と、同作が月9初ヒロインだった上戸彩とのかけあいや、商店街の人間模様もほのぼのとしたラブコメディで、週の始めに観るのにぴったりの軽やかなドラマだった。今では名司会者として知られる中居だが、また演技をする姿も見てみたいものだ。

 『婚カツ!』と時を同じくして、2009年の流行語大賞にもノミネートされていた言葉「婚活」や「草食男子」だが、この頃から巷でもだんだんと、婚活が定着。SNSなども台頭したことから、令和の現在はすっかり抵抗なく婚活する男女が増えている。平成時代は婚活が新鮮で珍しく、トレンドとしてキャッチーな事象だったため、ドラマにも積極的に組み込まれるようになっていった。以降現在まで、婚活を軸にさまざまなファクターが加えられて、婚活ドラマが度々登場することとなった。

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