キム・スヒョン、百想芸術大賞で人気賞を受賞! 『涙の女王』に至る華麗なるスター街道

 2017年からは入隊のため俳優業からは遠のいていたが、2019年に除隊後、『愛の不時着』のカメオ出演などもありながら、事務所をGOLDMEDALISTに移籍。2020年には、主演ドラマ『サイコだけど大丈夫』で本格的に俳優業に復帰したキム・スヒョン。愛することも希望を持つこともなく生きてきた、精神科病棟で働く保護士のムン・ガンテ(キム・スヒョン)は、愛を知らない人気童話作家のコ・ムニョン(ソ・イェジ)に出会い、そのサイコな言動に振り回されながらも、次第に惹かれ合っていく。ガンテの自閉スペクトラム症の兄、ムン・サンテ(オ・ジョンセ)ら3人の人生が交差するストーリーだが、生きづらさを抱える登場人物たちの闇が明けていく展開は清々しく、キム・スヒョンだからこそのヒーリング効果があったように思う。

『サイコだけど大丈夫』(tvN公式サイトより)

 2021年の『ある日〜真実のベール』は、主人公の平凡な大学生ヒョンス(キム・スヒョン)が、偶然出会った女性と一夜を過ごし、翌朝目覚めると女性は血だらけの刺殺体となり殺人のぬれぎぬを着せられるという犯罪ドラマ。イギリスBBCのドラマ『クリミナル・ジャスティス』を原作とした同作は、重苦しい展開にハラハラさせられるなか、弁護士のシン・ジュンハン(チャ・スンウォン)の助けを得て、真実が解き明かされていく。終始緊迫感と悲愴感が漂うなか、塀の中のヒョンスとしてシリアスな演技でハッとさせた。

『ある日~真実のベール』©︎2021.Chorokbaem Media/The Studio M.all rights reserved

 そして2024年。最新作『涙の女王』でさらなる飛躍を見せたキム・スヒョン。カメオ出演した『愛の不時着』では、緑色のジャージでコミカルに登場したキム・スヒョンと対面する“耳野郎”キム・ヨンミンの姿もあったが、『愛の不時着』の脚本家パク・ジウンが『涙の女王』も手がけているため、『涙の女王』ではところどころに『愛の不時着』のオマージュが点在する。『愛の不時着』に出演した名脇役たちが『涙の女王』に続々登場するのを発見するのも面白い。キム・スヒョンとは『サイコだけど大丈夫』で共演したオ・ジョンセも精神科医役で、主役のふたりと縁のあるソン・ジュンギは自身のヒット作から弁護士“ヴィンチエンツォ”として登場。さまざまな楽しみ方ができることも『涙の女王』がヒットした所以のひとつだろう。

『涙の女王』(tvN公式サイトより)

 今年6月には来日公演も決定し、日本でのますますの人気に拍車がかかりそうなキム・スヒョン。すでに代表作を手に入れている彼が、今後どのような作品選びをしていくのか。次回作も心待ちにしておこう。

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