高山一実×西野七瀬のおじいちゃん役に衝撃! 『トラペジウム』が辿り着いた“光”の景色

 また、本作には原作者である高山と乃木坂46の出身である西野七瀬が声優として参加しているのも見どころ。乃木坂46時代から“たかせまる”の愛称で親しまれていた高山と西野。そんな2人が演じているのが、まさかのおじいさん役だというのもなかなか面白い。

 アニプレックス公式YouTubeチャンネルで公開された、たかせまるコンビのアフレコ映像では、2人がおじいさん役を演じることになった経緯が語られている。高山は「グループ時代にどちらがおばあちゃんっぽくフレーズを言えるか2人で競っており、なーちゃん(西野)がすごく上手だったと思い出した」とコメントしている通り、予習なしの状態で本作を観た筆者は2人が声優として参加していることに気付かなかった。これから本作を観るという方も、2人がどこのシーンで登場するかに注目しながら観てほしい。

 ここで原作小説についても触れておきたい。雑誌『ダ・ヴィンチ』で2016年5月号から2018年9月号まで連載されていた同名小説。2018年には単行本化されており、翻訳本としても韓国・台湾版、中国語簡体字版も発売、累計発行部数は約30万部とベストセラーを記録している。元々“連載”として展開されていた作品だからか、映画ではやや強引に思える展開や省略されている部分があったかなという印象も。だが、やはり現役トップアイドルが書いた作品だけあって、“アイドルを目指す若者”の解像度の高さをすごく感じた。

 
 キラキラと輝く世界に憧れた主人公が、アイドルになって初めて気が付くキラキラしているように“見せている”アイドルの現実。アイドルに憧れ、夢を実現し、現実を見てきた高山にしか辿り着けない景色がそこにあった。本作は、夢を追い続ける全ての人にまっすぐ届く物語だ。

■公開情報
『トラペジウム』
全国公開中
声の出演:結川あさき(東ゆう役)、羊宮妃那(大河くるみ役)、上田麗奈(華鳥蘭子役)、相川遥花(亀井美嘉役)、木全翔也(工藤真司役)、久保ユリカ(古賀萌香役)、木野日菜(水野サチ役)、内村光良(伊丹秀一役)
原作:高山一実『トラペジウム』(KADOKAWA刊/『ダ・ヴィンチ』連載)
監督:篠原正寛
脚本:柿原優子
スーパーバイザー:舛成孝二
キャラクターデザイン:りお
音楽:横山克
主題歌:MAISONdes「なんもない feat. 星街すいせい, sakuma.」
制作:CloverWorks
配給:アニプレックス
©2024「トラペジウム」製作委員会
公式サイト:trapezium-movie.com
公式X(旧Twitter):@trapezium_movie
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@trapezium_movie

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