『ちびまる子ちゃん』TARAKOさん後任の菊池こころはどんな声優? “交代問題”を考える

 そもそも、似せなくてはいけないのかといったこともある。『天才バカボン』というTVアニメがあって、バカボンのパパを雨森雅司が演じていたが1984年に死去。「~なのだ」という独特の台詞回しも含めてキャラクターとして確立していただけに、『平成天才バカボン』で後任として起用された富田耕生も「悩んだし、やめた方がいいとも言われた」とインタビューで答えていた。

 そこで、「赤塚漫画の基本はギャグとペーソスといたずらっぽさがあること。それを基本にやれば、後ははねまわっていればいいなあと」思い至り、「似せてやるのはつまらない」と考え自分ならではの演技で収録に臨んだという。結果はピタリとハマって、平成を通してバカボンのパパを演じ続けた。

 赤塚作品では、『おそ松くん』イヤミというキャラクターがいて、最初のTVアニメでは小林恭治が演じていたが、2作目では肝付兼太が演じることになった。制作したアニメスタジオの社長によれば、赤塚は最初、違和感を表明していたというが、すぐに何も言わなくなったという。演技によって異論を封じた格好だ。

 大ベテランの声優でも思い悩んだ声優の引き継ぎだが、そこで重要だったのは前の声優とそっくりな声で演じることではなく、その役に相応しい声で演じることだった。それが結果として違和感なく聞ける声を作り出すに至った。菊池こころも20年のキャリア持つ声優だけに、自分らしさとまる子らしさを兼ね備えた令和の『ちびまる子ちゃん』を作り上げていってくれるだろう。

参考
https://realsound.jp/movie/2024/04/post-1629427.html

■放送情報
『ちびまる子ちゃん』
フジテレビ系にて、毎週日曜18:00~18:30放送
※「季節まるごと!さくらももこ 春夏秋冬の原作まつり」は、4月21日(日)、4月28日(日)、5月5日(日)、5月12日(日)、5月19日(日)、5月26日(日)、6月2日(日)、6月9日(日)放送
声の出演:まる子(CV:菊池こころ)、お父さん(CV:屋良有作)、お母さん(CV:一龍斎貞友)、おじいちゃん(CV:島田敏)、おばあちゃん(CV:佐々木優子)、お姉ちゃん(CV:豊嶋真千子)、山田くん・城ヶ崎さん(CV:本井えみ)ほか
原作:さくらももこ
脚本・制作協力:多田弘子(さくらプロダクション)
プロデューサー:前田泰成(フジテレビ)、田中伸明(日本アニメーション)
監督:高木淳(日本アニメーション)
制作:フジテレビ、日本アニメーション
©さくらプロダクション/日本アニメーション
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/b_hp/maruko/
公式X(旧Twitter):https://twitter.com/tweet_maruko

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