aiko、スピッツ、東京事変、BUMP 劇場版『名探偵コナン』の主題歌が30代を狙い撃ち

 そして、最新作『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』の主題歌はaikoの「相思相愛」。1998年のデビュー以来、実に25年以上真っ直ぐにポップスとラブソングを歌い続けてきたaikoと『100万ドルの五稜星』における服部平次と遠山和葉の恋模様はこれまで以上の親和性を持っている。いつも傍にいるはずなのに、一度事件が起こると遠くから見守るだけの和葉の姿を想起させる歌詞が印象深い「相思相愛」は、『100万ドルの五稜星』本編鑑賞後のエンドロールで聴くと一層涙を誘われる。キャッチーでポップな演奏と切実な歌唱は、aikoのキャリアも相まって貫禄すら感じる出来だ。「相思相愛」はきっと劇場版『名探偵コナン』シリーズを代表する新しい1曲となるだろう。

『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』©2024 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

 ここまで2020年以降の作品の主題歌を中心に振り返ってきたが、どの主題歌も1990年代デビューのアーティストであることにお気づきだろうか。それ以前にも福山雅治やポルノグラフィティ、倉木麻衣、斉藤和義、ZARDといった1990年代にデビューしたアーティストが数多く顔を揃えているのが、劇場版『名探偵コナン』シリーズの現在に至るまでの共通項とも呼べるポイントだ。

 1996年から放送がスタートしたアニメシリーズにおいて、初期からアニメ放送を観て『名探偵コナン』と共に人生を重ねてきたファンは多いだろう。特に直近4作品の東京事変→BUMP→スピッツ→aikoという流れは、まるで『名探偵コナン』と同じ時代を過ごしてきたメインファン層である30代を狙い撃ちにしているかのようだ。主題歌を担当するアーティストサイドとしても、デビューと同じ時期に放送がスタートした『名探偵コナン』が思い入れ深い存在というアーティストも少なくないだろう。だからこそ、各作品に寄り添った楽曲が生まれているのだ。

 もう今から来年の主題歌の動向が気になるところだが、まずは現在公開中の『100万ドルの五稜星』、そして「相思相愛」をじっくりと味わい尽くしてほしい。

■放送情報
『名探偵コナン 黒鉄の魚影』
日本テレビ系にて、4月19日(金)21:00~23:14放送
※本編ノーカット・初放送
原作:青山剛昌『名探偵コナン』(小学館『週刊少年サンデー』連載中)
監督:立川譲
脚本:櫻井武晴
音楽:菅野祐悟
声の出演:高山みなみ、山崎和佳奈、小山力也、林原めぐみ、堀之紀、立木文彦、小山茉美、古谷徹、池田秀一、沢村一樹
©2023 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

■公開情報
『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』
全国公開中
原作:青山剛昌
監督:永岡智佳
脚本:大倉崇裕
音楽:菅野祐悟
キャスト:高山みなみ(江戸川コナン)、山崎和佳奈(毛利蘭)、小山力也(毛利小五郎)、山口勝平(怪盗キッド)、堀川りょう(服部平次)
スペシャルゲスト:大泉洋
主題歌:aiko「相思相愛」(ポニーキャニオン)
アニメーション制作:トムス・エンタテインメント
製作:小学館、読売テレビ、日本テレビ、ShoPro、東宝、トムス・エンタテインメント
配給:東宝
©2024 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
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