『怪獣8号』の“凄さ”をアニメ制作陣から読み解く 美術と怪獣デザインのこだわりに注目

『怪獣8号』の凄さを制作陣から読み解く

 シリーズ構成と脚本は、『ルパン三世 PART5』(2018年)、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』(2022年)、『劇場版 SPY×FAMILY CODE:White』(2023年)と、大ヒット作品を送り出している大河内一楼。キャラクターデザインはアイジー制作の『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』(2004年)の西尾鉄也。西尾は『NARUTO -ナルト- 疾風伝』(2007年)のテレビシリーズと劇場版でもキャラデザインを務めており、海外でも人気の高いアニメーターだ。美術監督の木村真二は、多くの映画賞を獲得したアニメ映画『漁港の肉子ちゃん』(2021年)で、北陸の港町を味わい深い美術で描き出しているので、本作でも街並みの描き方に注視したい。

『怪獣8号』第1話

 怪獣まわりを担当するスタジオカラーの方からは、怪獣デザインとして前田真宏が参加している。リアルサウンドのインタビュー記事でTOHO animationの武井克弘プロデューサーが話している通り、前田は怪獣討伐シーンのイメージボードをはじめ、漫画にはないアニメだけの裏設定や、原作では名前がない怪獣のネーミングを考えるなど怪獣メインの本作の肝になる部分を担っている。(※)こだわりの多い庵野秀明総監督のもとで制作された映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』(2012年)、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』(2021年)の監督経験が本作にも活かされることだろう。

アニメ『怪獣8号』メインPV第2弾/4月13日より毎週土曜23:00~放送・配信開始

 第1話はテレビ放送と同時にX(旧Twitter)で本編の世界同時配信を行ない、オープニングテーマにヤングブラッド、エンディングテーマにはOneRepublicを起用し、文字通りパブリックな話題を仕掛ける『怪獣8号』。第2話では、先行上映会の舞台挨拶に登壇したファイルーズあい演じる四ノ宮キコルが登場し、気が強い超エリート少女のキコルとカフカがひと悶着ありそうな予感だ。カフカの怪獣8号としての正体がいつバレるかも含め、アニメ業界のエキスパートたちが集まった、先行きが楽しみなアニメである。

参考
※ https://realsound.jp/movie/2024/04/post-1629985.html

■放送情報
『怪獣8号』
テレ東系:毎週土曜23:00~放送
BSテレ東:毎週土曜24:00~放送
AT-X:毎週日曜22:00~放送
アニマックス:4月27日(土)スタート 毎週土曜21:00~放送
キャスト:福西勝也(日比野カフカ/怪獣8号役)、瀬戸麻沙美(亜白ミナ役)、加藤渉(市川レノ役)、ファイルーズあい(四ノ宮キコル役)、河西健吾(保科宗四郎役)、新祐樹(古橋伊春役)、河本啓佑(出雲ハルイチ役)、武内駿輔(神楽木葵役)、千本木彩花(小此木このみ役)
原作:松本直也(集英社「少年ジャンプ+」連載)
監督:宮繁之、神谷友美
シリーズ構成・脚本:大河内一楼
キャラクターデザイン・総作画監督:西尾鉄也
怪獣デザイン:前田真宏
美術監督:木村真二
色彩設計:広瀬いづみ
3D監督:松本勝
撮影監督:荒井栄児
編集:肥田文
音響監督:郷文裕貴
音楽:坂東祐大
オープニングテーマ:YUNGBLUD「Abyss」
エンディングテーマ:OneRepublic「Nobody」
怪獣デザイン&ワークス:スタジオカラー
アニメーション制作:Production I.G
©防衛隊第3部隊 ©松本直也/集英社
公式サイト:https://kaiju-no8.net
公式X(旧Twitter):https://twitter.com/KaijuNo8_O

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