『時光代理人 -LINK CLICK-』が面白すぎる! 第2期は“逆再生”の衝撃スタートに
『時光代理人』はその独創的な演出も、視聴者を魅了してやまない。第1期で毎話「俺たちの店がオープンするよ」というセリフから始まるトキのお決まりのナレーションは、静止画から物語が始まるという斬新な手法を用いている。これは「写真」がキーワードになっている本作ならではの演出だと言えるだろう。日本のアニメでも最後にエンドカードが用意されているパターンはよく目にするが、この“静止画から動画へと移行していく”様子は、まるで写真の中の世界が動き出すかのようで、物語への没入感を高めてくれた。一方で第2期は、第1期のあらすじを網羅するような映像から始まるのだが、これもただの「あらすじ」の映像ではない。途中から絵柄のタッチが手書き風になり、加速する第1期ラストの緊迫感と荒々しさをMVのような映像美で紡いでいく。
さらに、現在第2期が放送されている中で、話題を集めているのがOP映像である。なんとこのOP、後半からは映像も曲自体も前半部分の逆再生になる。この“時間を遡る”ような仕掛けについて、作詞・作曲を手掛けたボーカルの鱼麦扣(Michael Yu)によると、その部分のメロディだけで4カ月かかったことを明かしている。(※2)ちなみに第1期OPでは、キャラクターたちが足でステップを踏まず、腕、肘、手首、手の細かい動きを組み合わせた「タットダンス」を踊る姿が話題となった。
もちろん劇中の音楽も抜かりない。新海誠監督の『秒速5センチメートル』でも知られる日本人作曲家の天門をスタッフに加えた、美しくも迫力のある音楽が、『時光代理人』の世界観を見事に引き立てている。このように、視覚も音も一風変わった、何度も観たくなるようなインパクトのある演出に、中国アニメならではの新鮮さを感じた視聴者も多いのではないか。
『時光代理人』李豪凌監督の卓越した手腕 新海誠作品へのオマージュとアンサーも
近年の中国アニメの発展には目を見張るものがある。日本でもヒットした『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) ぼくが選ぶ未来』では、2D…
『時光代理人』第2期の始まりでは、トキやヒカルと同様になんらかの能力を持つ真犯人の存在が示唆された。新たな謎が提示された今、第2期に向けて視聴者の間でもさまざまな考察が飛び交っている。この4月に新たなステージへと突入する本作は、まさにここからが本番なのだろう。
参考
※1. https://febri.jp/topics/link-click3/
※2. https://twitter.com/Ready4theJAWS/status/1677548603110457344
■放送・配信情報
『時光代理人 -LINK CLICK- II』
フジテレビ「B8station(ビーハチステーション)」にて、毎週水曜25:25〜放送
BSフジにて、毎週木曜24:30〜放送
dアニメストアにて、毎週水曜25:25〜先行配信
その他配信プラットフォームにて順次配信
監督・脚本:Haolin(リ・ハオリン)
キャラクターデザイン原案:INPLICK
総演出・総作画監督:LAN
美術監督:朝見知弥、朱立朴/ジュー・リープー
エグゼクティブ・ディレクター:張予夏/チャン・ユーシア 、陸婉玉/ルー・ワンユー
色彩設計:のぼりはるこ
音楽:天門、yuma yamaguchi、Kent watari、犬養奏
アニメーション制作:瀾映画
日本版製作:株式会社ソニー・ミュージックソリューションズ、株式会社アニプレックス
キャスト:豊永利行(トキ/程小時)、櫻井孝宏(ヒカル/陸光)、古賀葵(リン/喬苓)、中村悠一(銭進)
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