『涙の女王』キム・スヒョン&キム・ジウォンが涙のキス 和解の陰で暗躍する悪役たち

 ヘインが海外に行くたびに、弁護士仲間で友人のキム・ヤンギ(ムン・テユ)と弾けていたヒョヌ。だが、いつものようにヤンギに軽口を言われても、心ここにあらずで、気持ちはドイツに行っているのだ。ヤンギにもそう指摘されるヒョヌ。ヒョヌは、ヘインのインタビュー動画を見るうちに、ヘインの自分への想いを知り、涙する。ヒョヌもヘインも、どちらも寂しいのだ。ヒョヌは、ヘインの心が自分への愛や、自分たちの子供への愛ではなく、デパートの売り上げを上げることだけに向いていると思い、自分が愛されていないと思い込んでいた。自分の存在は、ヘインの中では取るに足らないものだと。

 ヘインもまた同じなのだ。ヘインの中では、兄を亡くしたことも、母親から憎まれるようになったことも、「自分のせい」なのだ。そして、ヒョヌとの間に授かった愛の結晶である我が子を亡くしたことも、おそらくヘインは「自分のせい」だと思っているのではないだろうか。そして、ヒョヌの心が自分から離れていくのも、「自分のせい」。そして、そんな状態から目を背けるために、必死でデパートの売り上げを上げることに邁進してきた。それしか自分の証明価値がないかのように。

 ドイツで再会したヒョヌとヘインのシーンは素晴らしいものだった。ドイツの「心配のないという名の宮殿」にスローモーションで現れるキム・スヒョン。キム・スヒョン演じるヒョヌが、ハイヒールで足が痛むヘインのために、自分がプレゼントしたスニーカーを持って颯爽と現れる姿はまさにヒーローであり、ヘインと視聴者たちの王子様だ。結婚してからたくさん泣いたというヒョヌは、ヘインにむかって「こんな時は君のそばにいさせてくれ」と懇願する。ヘインは、涙ながらに「私はずっと、あなたにそばにいてほしいと思ってた。1人は嫌だったの」と心を明かす。ふたりは涙を流しながら、心の通った熱いキスをする。とても美しく、涙溢れる感動的なキスシーンだ。その後のドイツでのふたりの楽しい時間に心が和む。

 しかし、ヒョヌとヘインの留守を狙って、M&Aの専門家で投資家のユン・ウンソン(パク・ソンフン)、義妹チョン・ダヘ(イ・ジュビン)、会長の愛人モ・スリ(イ・ミスク)、顧問グレイス・コ(キム・ジュリョン)ら悪役たちが活発に動き始めていた。クイーンズグループの中で、ヒョヌの発言力の強さを知ったウンソンは、ヒョヌを追い出すことを画策し、ヒョヌを罠にかけ陥れることにする。そうとは知らぬドイツのヘインとヒョヌだが、2人が帰りたがっていた「愛の巣」には、ヒョヌが以前作成した離婚合意書があり、一族を震撼させていた。

 ヒョヌとヘイン夫婦の愛情を軸に、クイーンズグループを狙う悪役たちが蠢き出し、ミステリー要素がたっぷりと加わった本作。陰謀により窮地に立たされるヒョヌだが、この窮地をどう切り抜けるのか。脚本家パク・ジウンと制作陣が次はどんな一手を用意しているのか、次回がとても待ち遠しい。

■配信情報
『涙の女王』
Netflixにて配信中
出演:キム・スヒョン、キム・ジウォン、パク・ソンフン
原作・制作:パク・ジウン、チャン・ヨンウ、キム・ヒウォン
(写真はtvN公式サイトより)

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