『グレイトギフト』小野花梨劇場と思いきや“本当の黒幕”が 全真相が明らかになった最終回
ドラマ『グレイトギフト』(テレビ朝日系)が3月14日に最終回を迎えた。
明鏡医科大学付属病院に「ギフト」を持ち込んだ真犯人とその全真相が明らかになるとともに、ラストにはさらなる黒幕が姿を見せた。
まずは真犯人については、検査技師の奈良茉莉(小野花梨)。これは大方の視聴者の予想通りというところだろう。真犯人は「稚拙でプライドの高い人間」だと想定していた藤巻(反町隆史)は、盗聴器を通じて真犯人を挑発。「うるせえよ!」と機械音声を打ち込む奈良の姿が、ばっちり隠しカメラに映っていた。
真犯人として藤巻、久留米(波瑠)らの前に姿を現した奈良。治験の看護師として国立生命理工学研究所(生命研)に働きに来ていた麻帆(明日海りお)を通じて、明鏡が「オクトセブン」の臨床実験の場所に選ばれたこと、元々は愛宕(山田明郷)元総理が「オクトセブン」を輸出することを企てていたこと、その愛宕を殺害したのが奥野信二(坂東彌十郎)元理事長だったことなどを明かしていく。生命研で働いていた稲葉(川野太郎)は殺される前に「やはり君か」と口にしていたが、彼に「ギフト」を贈っていたのは生命研にいた奈良だった。
稲葉を始末する時こそ能面のような表情だが、真相を供述する自白シーンではこれまでと変わらずに飄々としている奈良が逆に恐ろしい。「はぁい」というような返事がその象徴だ。そして言葉の端々から滲み出ているのが、自分が「ギフト」の創造者であり母親だということ。それは「オクトセブン」を発見した生みの親、久留米への歪んだリスペクトと執着心だ。藤巻と久留米をそれぞれ「ギフト」で始末しようとした白鳥(佐々木蔵之介)と奈良は、理事長室に突入してきた警察によって確保される。捕まるのであれば、と奈良は自身の腕に「ギフト」を贈るが、藤巻も即座に彼女の腕に特効薬を打ち込む。最後の実証実験だとして、「これで本当に親になれる。先輩に完璧に勝てる」と笑みを浮かべる奈良が、白鳥に並び「ギフト」に取り憑かれた研究者だったのかもしれない。
白鳥は、「ギフト」は人を成長させると謳っていたが、本作で最もその実証実験を立証させたのが藤巻だ。うだつの上がらない、ボソボソ声の藤巻が、最終的には「あんた医者だろ! 患者を救ってみせろ!」と白鳥の胸ぐらを掴み、神林(尾上松也)の娘・琴葉(中島瑠菜)の手術をさせるまでに物怖じしない、貫禄のある人物となった。ただ、第1話から変わらずに守り続けていたのは自身が信じる正義。人殺しはしない藤巻の姿に、最後は郡司(津田健次郎)も、本坊(筒井道隆)も、神林も目を覚ましたのだ。デリカシーのなさは相変わらずかもしれないが。