『アイのない恋人たち』前田公輝×深川麻衣、息ピッタリの「ごめん!」 “全員破局”展開に
ただし、楽しいパートだけでは終わらないのがこのドラマ。『アイのない恋人たち』では、これまでも各キャラクターの家族とのしがらみを描いてきた。第5話では、家族の問題として愛、多聞、奈美、絵里加がクローズアップされてきたが、ここにきて真和の家族にも問題があったことが明らかになった。
真和のアパートに訪ねてきたのは、かつて家族を捨てて他の男性と去った母親だった。その生い立ちから、真和が他人であるはずの愛と息子の関係に丁寧に向き合う理由がわかったような気がした。真和は母親の過去の不誠実な行動を攻め、父を裏切った母への怒りから、「こっちは100万年経っても、あんたを愛したりしないんだから」という言葉を放つ。
それにも関わらず、父親からは「わかったら母親を蔑むようなことは二度と言うな」と諭されてしまう。この言葉は真和を思うと心苦しい部分もあるが、一つの考え方としては「見返りを求めずに愛すること」が真の愛である可能性について、思いを馳せてしまった。
この父親の真和のやりとりのシーンを挟むことには「誰がどんな形で愛を貫くのかは、他人が決めることではない」という意味合いも含まれているのではないか。家族となれば話は別かもしれないが、広い意味では「愛したから愛してほしい」という傲慢さを無自覚に抱いていることへのメッセージのような場面でもあったように思う。
第5話では、6人……愛も含めれば7人全員が何かを諦めたり、失恋をしたりと辛い展開になった。絵里加の「愛することからも愛されることからも逃げ続けてください」という真和への言葉は、絵里加自身も含めた今の登場人物全員に刺さる言葉でもあるはず。目を逸らしてしまった“アイ”に翻弄される7人にとって、最初に取り組むべき課題もまた、失われた“アイ”を取り戻すことにあるのかもしれない。
■放送情報
『アイのない恋人たち』
ABCテレビ・テレビ朝日系にて、毎週日曜22:00~放送
TELASA、U‐NEXTにて、見放題配信
TVer、ABEMAにて、放送終了後見逃し配信
主演:福士蒼汰、岡崎紗絵、本郷奏多、成海璃子、前田公輝、深川麻衣、佐々木希
脚本:遊川和彦
演出:綾部真弥、吉川鮎太
音楽:平沢敦士
制作協力:ホリプロ
制作著作:ABCテレビ
©︎ABCテレビ
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