『ブギウギ』“最大の山場”「東京ブギウギ」をなぜこのタイミングに? CPに狙いを聞く
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』が現在放送中。“ブギの女王”と呼ばれる笠置シヅ子をモデルに、大阪の銭湯の看板娘・花田鈴子=福来スズ子(趣里)が戦後のスターへと上り詰めていく姿を描く。
第91話、「福来スズ子ワンマンショー」でいよいよスズ子が「東京ブギウギ」を披露。本作はその楽屋シーンからスタートしており、これをもって第1話放送に追いついたことになる。
だが、楽屋でのやり取りからステージシーンまで、すべてを再撮。制作統括の福岡利武は「最初に撮ったものを使った方が効率的なんですが、やはりそのときの気持ちで演じていただいたほうが繋がりもいいと思いますし、視聴者の方も今まで人物を追ってきているので、違って見えるところがあると思います」とし、「ステージでは『東京ブギウギ』の2番までフルで歌っておりますので、そういうところも楽しんでいただければ」と想いを込める。
キャストたちの間では「懐かしい」「長かったね」といったやり取りがあったことを明かし、「みなさん緊張感を持って仲良くやってきた関係性がありますし、趣里さんともお芝居を重ねてこられたので、とてもいいシーンになりました。実際、第1話とお芝居が違いましたし、そこが面白いなと思っています」と自信をのぞかせる。
羽鳥善一を演じる草彅剛は「『同じにしなくていいですよね?』と、楽しんでいらっしゃいました」といい、「ほかのみなさんも“今、思っていることを自然にやっていく”というお芝居だったと思います。りつ子がスズ子のフォローに入る前段のエピソードが効いていることもあって、菊地(凛子)さんの柔らかい表情が印象的でした」と振り返った。
趣里のパフォーマンスについては「ここまで数々のステージをやってきたので自信もあるかと思いますし、堂々としていて、弾ける感じがすごく良かったです。やはり趣里さんが、ドラマとともに大きくなっていったことを実感しました」と語り、「第1回冒頭の『東京ブギウギ』も素敵ですが、今回はほぼ一連で撮っていますので体力もすごいですし、とても躍動的で。視聴者の方が『自分がお客さんになった』と思えるような、立体感のあるステージになったと思います」と称賛する。
「フルで歌っているので長いですが、撮影クルーもこれまでに何度もステージを撮ってきたので、飽きさせない、力強いカメラワークになっていたと思います。撮影部もノリノリとはいえ緊張感はすごくありましたので、その中でよりよく撮れたんじゃないかなと。美術チームも力が入っていて、(『東京ブギウギ』と書かれた)看板を下ろしてきたりと趣向を凝らしていましたので、より楽しんでいただけたのではないでしょうか」
なお、これまでスタンドマイクで歌ってきたスズ子が、今回は舞台を右へ左へ動き回りながら観客を魅了。そこで生まれる「ピンマイクがない時代にどのように音を拾っているのか」との疑問について、福岡は「実は多くの視聴者の方からもご質問を受けています」と苦笑いで、「ステージ下に音を拾うたくさんのマイクがあって、ステージ上で動き回っても歌声を拾える、という裏設定があります」と説明した。