秋山竜次、木梨憲武、原田泰三、福田麻貴ら、1月期ドラマで存在感を増すお笑い芸人たち
『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』(TBS系)に人気急上昇中のお笑いコンビ・モグライダーの芝大輔、『新空港占拠』(日本テレビ系)には『大病院占拠』(日本テレビ系)に続き、春とヒコーキのぐんぴぃ、『となりのナースエイド』(日本テレビ系)には「第4回女芸人No.1決定戦 THE W」王者の吉住が出演し、主役を支えている今期のドラマ。同時に1月からスタートしたNHK大河ドラマ『光る君へ』にも、カラテカの矢部太郎、はんにゃの金田哲、三遊亭小遊三と、数多くの芸人・落語家が出演しており、中でも話題を集めているのが、円融天皇(坂東巳之助)の側近・藤原実資役を務めるロバートの秋山竜次だ。
「クリエイターズ・ファイル」と称し、普段から架空の著名人になりきっている秋山には平安貴族役だってお手の物。実際にこの目で見たわけでなくとも、秋山が演じると、どんな役でも「こういう人いそう」と妙に納得感がある。ただ、実資に関してはいつも秋山が演じるような“クセスゴ”キャラではなく意外にも常識人。円融天皇への忠誠心も強く、女房たちからの悪口を気にするような繊細さも持ち合わせた実資を、真面目だけどくすりと笑える絶妙な塩梅で演じている秋山の芝居は視聴者からも好評だ。
そんな秋山と数多くのキャラクターコントで共演する友近は、NHK連続テレビ小説『ブギウギ』に第17週からヒロイン・スズ子(趣里)の妊娠中を支える看護師役で出演中。これまでも数多くのドラマや映画に出演してきた友近の演技は安定感抜群で、セリフ量はそこまで多くなくとも画面にいてくれるだけで何やらホッとする。本作には友近以外にも、メッセンジャーの黒田有、なだぎ武、ジャルジャルの後藤淳平と福徳秀介、麒麟の田村裕も出演しているが、どの芸人も一様に演技が上手い。
コントや漫才にも一定の演技力は必要で、考えてみれば当たり前だが、ただ演技が上手いというだけではなく、そこには“おかしみ”がある。「悲劇と喜劇は紙一重」とよく言われるが、思い通りにならない日々を懸命に生きる市井の人々から溢れ出る笑い。観察眼の鋭い芸人たちは、それをすぐさまキャッチし、漫才やコントに取り入れる力がある。芝居もその応用なのだろう。ただ闇雲に笑わせるのではなく、基本的には真面目に芝居をしているが、絶妙な間合いで力を抜く。すると、途端に“おかしみ”が生まれ、お茶の間をあたたかな空気で包んでくれる。その瞬間にこそ、芸人をドラマにキャスティングする狙いがあるのではないだろうか。
■放送情報
『光る君へ』
NHK総合にて、毎週日曜20:00〜放送/ 翌週土曜13:05〜再放送
NHK BS・BSP4Kにて、毎週日曜18:00〜放送
NHK BSP4Kにて、毎週日曜12:15〜放送
出演:吉高由里子、柄本佑、黒木華、井浦新、高杉真宙、吉田羊、高畑充希、町田啓太、玉置玲央、板谷由夏、ファーストサマーウイカ、高杉真宙、秋山竜次、三浦翔平、渡辺大知、本郷奏多、ユースケ・サンタマリア、佐々木蔵之介、岸谷五朗、段田安則
作:大石静
音楽:冬野ユミ
語り:伊東敏恵アナウンサー
制作統括:内田ゆき、松園武大
プロデューサー:大越大士、高橋優香子
広報プロデューサー:川口俊介
演出:中島由貴、佐々木善春、中泉慧、黛りんたろうほか
写真提供=NHK