ドヒの命を狙う財閥家族から彼女を守るうちに、自然と惹かれ合っていくグウォンとドヒ。そして、前世の物語や、ドヒの両親の死の謎が明らかになるなかで、2人は互いに深く愛し合っていく。

　2人の前世編は、悲しい“終わりと始まり”の物語で、ドヒとの悲しい恋の終わりが、グウォンが悪魔になったきっかけだったことが明かされた。前世のパートでは、“時代劇の妖精”と呼ばれるキム・ユジョンがウォルシムとして舞う剣舞の美しさと、ソン・ガン自身の持つ、楽天的で暢気な雰囲気が活かされたイソン（前世のグウォン）のかわいらしさが印象的だった。イソンの純粋であるがゆえの残虐な行為と、彼が望んだ結果が悪魔となる所以となったのだ。

　本作では、ソン・ガンが『ナビレラ ーそれでも蝶は舞うー』でチェロク役を演じたときのバレエの先生スンジュ役であった、キム・テフンがドヒの命を狙うソクミン役で再共演しているのも嬉しいところ。2人の掛け合いの中で、ソン・ガンが、キム・テフンの頬をつねるシーンなどは、アドリブにも見えて楽しい。名バイプレーヤーであるキム・ヘスクが『力の強い女カン・ナムスン』に続き登場しているのも嬉しくなってしまう。

　全編を通じて、ソン・ガンとキム・ユジョンの魅力を最大限に引き立てるようなスローモーション演出が多用されたり、顔のアップシーンが見受けられ、豪華な装丁の美しい写真集のような視覚に訴えかける作品だったのが印象的だ。なかでも、往年の人気ドラマ『トッケビ』を彷彿させるシーンの数々にニヤリとさせられた。

　2023年のSBS演技大賞で本作は、「最優秀演技賞ミニシリーズ」「ベストカップル賞」を受賞している。本作で、悪魔グウォンを天性の魅力で見事に演じたソン・ガンとベテランの風格さえ漂うキム・ユジョンという旬の“最強カップル”が誕生した。ソン・ガン×キム・ユジョンの掛け合いにときめきをもらえた作品だった。

参照
・https://programs.sbs.co.kr/drama/mydemon/about/79696

■配信情報
『マイ・デーモン』
出演：ソン・ガン、キム・ユジョン、イ・サンイ
原作・制作：チェ・アイル、キム・ジャンハン、クォン・ダソム
（写真はSBS公式サイトより）