武井咲、“悪女=ダークヒロイン”として3年ぶり帰還 『顔』で後藤久美子と異色の演技対決

 あれからちょうど3年。つまり立て続けに武井は松本清張作品で“悪女=ダークヒロイン”を演じることになる。3年は大きなブランクともいえるが、むしろ新鮮な気持ちで迎え入れられるのではないだろうか。それに本作の注目ポイントはこれだけではない。今回はW主演。聖良を追い詰める弁護士・石岡弓子を演じるのは、なんとあの後藤久美子である。

 後藤がテレビドラマの世界に帰ってくるのは、1994年放送の『誰よりも君のこと』(テレビ朝日系)から30年ぶりのこと。2019年に『男はつらいよ お帰り 寅さん』で俳優業に復帰したが、かなりのブランクがあったからか、はたまた現在の彼女の生活拠点が日本ではないからか、非常に演技が異質だった。これはもちろんネガティブな意味ではない(劇中で彼女が演じる「イズミ」も海外で生活をしている)。後藤は俳優業から離れていたのだから、演じることを生業とする者たちとはまったく別の文脈をたどり、同作の世界観の中に存在していたのだ。これは『顔』でも大きな強みとなるだろう。

 これに武井はどう立ち向かうのか。一風変わった演技対決が繰り広げられるのは間違いない。そしてこれは、2024年のエンタメシーンを語るうえでの重要作品になることも間違いない。“悪女=ダークヒロイン”の帰還を祝いつつ、その行く末を心して見届けたい。

■放送情報
松本清張ドラマスペシャル『顔』
テレビ朝日系にて、1月3日(水)21:00~23:05放送
出演:後藤久美子、武井咲、緒形直人、平岡祐太、吉柳咲良、前田拳太郎、駒木根葵汰、川瀬莉子、川﨑麻世、西尾まり、佐戸井けん太、平泉成、陣内孝則(特別出演)、上川隆也
原作:松本清張『顔』(新潮社刊)
脚本:浅野妙子
演出:藤田明二
音楽:沢田完
エグゼクティブプロデューサー:内山聖子(テレビ朝日)
プロデューサー:残間理央(テレビ朝日)、中込卓也(テレビ朝日)、目黒正之(東映)、望月卓(東映)
制作:テレビ朝日・東映
©︎テレビ朝日

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