綾野剛は“眼差し”で全てを物語る 『MIU404』『幽☆遊☆白書』など印象的な役を振り返る
振り返ってみると、綾野は自分にとってキーパーソンとなる誰かとの出会いによって“生き直し”をする役柄を演じることが多いように思える。主人公を演じた『オールドルーキー』(TBS系)でも、予期せぬ現役引退後の自分が進むべき第2の人生を模索する元プロサッカー選手役を熱演していた。
かと思えば、綾野の鋭いイメージのある外見のスマートさがそのまま活かされているのは映画『最後まで行く』での矢崎役だろう。一糸乱れぬスーツ姿と佇まいは、自身の役目に忠実で神経質なキャラクターをイメージさせる。随所に頬の引きつりが盛り込まれるが、その違和感が悪目立ちすることなく、あくまで自然な形でのふとした違和感、僅差として矢崎の人物像を印象付けるのに非常に効果的に作用していた。その人間の周りに漂う空気感の温度までも自由に操る綾野は、声質や声の高さで全く正反対の人物を見事に演じ分ける。
Netflixシリーズ『幽☆遊☆白書』でも、綾野が意外な姿で登場している。戸愚呂弟役として、滝藤賢一扮する兄を肩に乗せて登場する綾野の初登場シーンはかなりインパクトがある。サングラスをつけているにもかかわらず、そこにも表情の変化が感じられる演技は必見だ。
綾野剛、『幽☆遊☆白書』撮影は「プレッシャーと共存」 青天の霹靂だったオファーの裏側
Netflixシリーズ『幽☆遊☆白書』が快進撃を見せている。週間グローバルトップ10のテレビ・非英語部門で1位を獲得(12月11…
また年明けには綾野が主人公のヤクザ役を演じる『カラオケ行こ!』の公開も控えており、『空飛ぶ広報室』(TBS系)、『MIU404』同様に野木亜紀子脚本の本作で今度はどんな“生き直し”を見せてくれるのか楽しみだ。
■放送情報
『MIU404』
12月29日(金)0:36~3:35、4:00~6:50放送
12月30日(土)0:14~3:50、4:00~6:50放送
12月31日(日)2:00~3:50、4:00~7:20放送
2024年1月2日(火)1:25~5:50放送
出演:綾野剛、星野源、岡田健史、橋本じゅん、黒川智花、渡邊圭祐、金井勇太、菅田将暉、生瀬勝久、麻生久美子
脚本:野木亜紀子
演出:塚原あゆ子、竹村謙太郎、加藤尚樹
プロデュース:新井順子
音楽:得田真裕
製作:TBSスパークル、TBS
©︎TBS