『いちばんすきな花』田中麗奈の芯を感じさせる佇まい 美鳥が優しさの中に秘める強い意志

 出身地も年齢も違う4人の男女の、友情とも恋愛とも違う、ちょっと不思議な関係を描いている木曜劇場『いちばんすきな花』(フジテレビ系)。全く接点がないと思われた4人には、実は共通の知人がいた。それが田中麗奈が演じる志木美鳥である。

 「志木さん」「みどちゃん」など人によって呼び方が違っていた美鳥は、共通して「なんか嫌われてる」というイメージがあるものの、その人が覚えているエピソードから窺える人柄は全く違ったものだ。たとえば、椿(松下洸平)が覚えている美鳥は、いつもどこかに傷を作っていて無愛想であるが、人が嫌いなわけではない。その証拠に、椿の家に来て、母の鈴子(美保純)から料理を習っていることもあった。そんな美鳥に椿は将棋を教えたのだった。

 一方、夜々(今田美桜)にとっての美鳥は、にこにこしている優しいいとこのお姉ちゃん。夜々と美鳥を2人っきりにする時に「危ないことせんでよ」と言った沙夜子(斉藤由貴)の言葉には、心配とは別にトゲがあるが、幼い夜々にはよく分からなかっただろう。ただ、夜々と一緒にいた美鳥も将棋ができた。

 それぞれにそれぞれの「美鳥像」があり、それが一致しないため、同一人物というにはおぼつかなく、似ている別人物だと思われていた美鳥。ゆくえ(多部未華子)が本人に確認して、4人がやっぱり同じ人について話していたことが判明した。

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