ストライキ終結にハリウッド俳優らが喜びの声 約4カ月に及ぶ撮影ストップの余波も

 7月14日に開始され、118日間にわたって続行した全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)のストライキが、米現地時間11月9日午前12時1分(米太平洋時間)に終了すると発表された。

 米Varietyによると、SAG-AFTRAと映画テレビプロデューサー同盟(AMPTP)は、新たな契約に関する暫定合意に達したとのこと。なお、2023年5月上旬に始まった全米脚本家組合(WGA)のストライキは9月27日に終了しており、すでに脚本家は仕事を再開しているため、俳優が撮影現場へ戻り、近いうちに映画やドラマシリーズなどの製作が本格的に再スタートすることになる。

 17名で構成されたSAG-AFTRAの交渉委員会は全会一致で暫定合意を承認し、この協定は次の段階として、11月10日にSAG-AFTRAの理事会へ提出されるという。

 SAG-AFTRAとAMPTPは、ここ数日にわたって協定の最終的な仕上げを行っているが、現時点で具体的な内容は明かされていない。しかし、俳優に支払われるテレビ番組の再放送使用料や最低賃金の引き上げ、俳優が自ら録画しなければならない“セルフテープオーディション”のルール整備、AI(人工知能)に対する俳優の肖像権保護など、SAG-AFTRAが主に訴えていた条件を満たすものと見られている。

 米Indie Wireによると、今後の流れとしては、11月10日に提出される暫定協定にSAG-AFTRAの理事会が署名すれば、次に16万人の有資格組合員が新協定の可決について投票し、可決された時点で正式なものとなる。だが、SAG-AFTRAが可決投票の完了前にストライキを打ち切ったため、俳優はすぐにでもSNSなどで作品の宣伝活動を開始できる。

 米Deadlineによると、WGAとSAG-AFTRAによる6カ月にわたるストライキは、南カリフォルニア経済に65億ドル(現為替1ドル=150円:約9800億円)以上の損害を与え、エンターテインメント業界で4万5000人の雇用が失われたと推定されている。

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