雑誌の表紙、密着取材、イメージタレントまで アニメキャラ“タレント化”の背景とは?

 雑紙の表紙を飛び出して、イメージタレントとして活躍するキャラも増えている。11月3日より全日本マカロン協会が始めたキャンペーンでは、『SPY×FAMILY』のアーニャが起用されて、全国のショップで販売されるマカロンのPRに寄与する。購入者は、パティシエの衣装を着てマカロンに腰掛けたアーニャのイラストが入ったクリアファイルがもらえるとあって、マカロン愛好家とアーニャのファンが頒布場所となるパティスリーに押しかけそうだ。

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 アニメのキャラクターが商品の宣伝に登場すること自体は新しいものではない。丸美屋の「のりたま」に『エイトマン』のシールがついたり、明治の「マーブルチョコレート」に『鉄腕アトム』のシールがついたりした1960年代のTVアニメ黎明期から行われてきたことだ。アトムは銀行の貯金箱になり、プロ野球のイメージキャラになり、回転寿司チェーン「アトムボーイ」の看板にまでなった。

  子どもに人気のアニメキャラが持っている、子どもにアピールする力を取り込みたい。それこそミッキーマウスの昔から、キャラクターマーチャンダイジングの主力として、アニメキャラはさまざまなジャンルで起用されてきた。今のアニメキャラのタレント化も、そうした流れの上にあるもので、ことさら不思議なものとして捉える必要はない。ただ、子どもに向けて売りたい商品とは少し違う、大人が対象となった商品やサービスにこれほどまでにアニメのキャラが起用されるようになったのは、やはり目新しい現象と言えるだろう。

 アニメを観て育った世代が、キャラへの親近感を持ったまま大人になって、子どもっぽいといった意識を抱かずキャラに接するようになった。アニメ作品に登場する地域が、作品とコラボして“聖地巡礼”を誘うような試みが、この20年ほどで一般化してきた。そうした段階を経て、キャラ自体がタレントとなってビジュアルや芸で誘ったり、生き様に共感させたりするようなコラボの場に、普通に起用されるようになったのかもしれない。

 その先、アニメキャラのタレント化はどこまでいくのだろう。シリアスな現場、例えば報道番組でキャスターとしてニュースを読むようなことも起こるのだろうか。いつかAIが発達して集合知を発揮するようになった段階で、キャラのアバターを被せてキャスターとして起用するところが出てくるかもしれない。

 アニメ映画『ONE PIECE FILM Z』の中で、麦わらの一味がアルマーニエクスチェンジの衣装をまとったようなコラボが進化し、バーチャル空間でキャラが最先端のファッションをまとってランウェイを歩くようなことも起こるかもしれない。可能性は無限だ。

 キャラへの関心がただの人気を飛び越えて、信頼性につながっていった先に起こり得る変化を気にしていこう。

■放送情報
『進撃の巨人』The Final Season完結編(後編)
NHK総合にて、11月4日(土)24:00より放送
原作:諫山創(別冊少年マガジン『進撃の巨人』講談社)
監督:林祐一郎
シリーズ構成:瀬古浩司
キャスト:梶裕貴、石川由依、井上麻里奈、下野紘、三上枝織、谷山紀章、嶋村侑、細谷佳正、朴璐美、神谷浩史、子安武人、花江夏樹、佐倉綾音、沼倉愛美
キャラクターデザイン:岸友洋
総作画監督:新沼大祐、秋田学
演出チーフ:宍戸淳
エフェクト作画監督:酒井智史、古俣太一
色彩設計:大西慈
美術監督:根本邦明
画面設計:淡輪雄介
3DCG監督:奥納基、池田昴
撮影監督:浅川茂輝
編集:吉武将人
音響監督:三間雅文
音楽:KOHTA YAMAMOTO、澤野弘之
音響効果:山谷尚人(サウンドボックス)
音響制作:テクノサウンド
アニメーションプロデューサー:川越恒
制作:MAPPA
©諫山創・講談社/「進撃の巨人」The Final Season製作委員会
公式サイト:https://shingeki.tv/final/
公式X(旧Twitter):@anime_shingeki

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