大沢たかおが語る、“育ててもらった”月9枠への覚悟 『ONE DAY』は「とても新しい企画」

「自分が最初に生まれて、育ててもらった場所」

――「レストラン編」はコメディ要素もあるそうですね。

大沢:本当に素晴らしい台本だと思います。すごく言葉が口につきやすいんです、言葉尻も全部。だから、すごく楽に、自然にやらせてもらっていますが、やりようによってはどうとでもできてしまうので、やっぱり緊張します。僕はもともとコメディの人ではないので、ちゃんと監督の話を聞きながら進めている感じです。OKかそうじゃないのか、オンエア観ないとわからない。むしろ、オンエアを観てもわからないかもしれないけど、今はみんなで精一杯やっています。

――撮影の合間には、共演者の方とどんなお話を?

大沢:普通の話ですよ(笑)。でも、みんなものすごく台本を読んでいます。「なんて真面目なんだろう」っていうくらい。それはすごくいい空気だなと思いますね。「いいものを作りたい」とか、「このドラマで名前あげたい」とかなんでもいいけど、みんながそこに向かってすごく集中している感じがします。前室でもみんなが台本を読みながら喋っているし、そういう姿が見られるのも嬉しいですね。

――大沢さんはデビューが月9ドラマ(『君といた夏』)ですが、やはりこの枠には思い入れがありますか?

大沢:自分が最初に生まれて、育ててもらった場所なので、一生忘れないと思います。当時は渋谷でしたが、初日にスタジオへ行ったときの緊張感とか、共演者の方がすごく優しく喋りかけてくれたこととか。中江(功)監督も笑顔で優しくて、プロデューサーの亀山(千広)さんも楽しい方で、そこでいい体験ができたから「仕事を続けよう」と思えたので、すごく感謝しています。何十年も経って、こんなおじさんになって戻ってきてガックリさせちゃいけないし、30年前とは違う輝き方をしなきゃいけないと思うと、武者震いというか、すごく緊張します。映画のほうが気楽かもしれない(笑)。連ドラから十数年も離れているので、「このスピード感についていけるのかな」とか考えると、毎日早く起きてしまいます。

――何時に起きるんですか?

大沢:5時。撮影は9時からなので、夕方になると疲れちゃいます(笑)。寝たいんだけど、「今日のシーンどうしようかな」「あんなに面白いシーンなのに、うまくいかなかったら申し訳ないな」とか考えると、興奮しちゃうんですよね。でも、そんなことを思わせてくれることがすごく嬉しいです。だって台本もすごいし、セットも素晴らしいし、全部がいいので何かのせいにできない状況なんですよ。絶対に迷惑をかけたくないし、二宮くんのブロックも中谷さんのブロックも、きっとすごく頑張るだろうから、これで自分がズッコケたらみんなに合わせる顔がないな、とか考えると、大体5時に起きちゃいます。

――今回は3カ月間をかけて1日を演じますが、その面白さ、難しさについて聞かせてください。

大沢:そこは“難しさ”ですよね。僕よりも、たぶん作る人たちが大変だと思います。今のセットが、12月まで同じ状態であるわけですから。僕らは微妙に髪の毛が伸びたりしないように、ということくらい。ただ、この間ちょうど1ブロックを撮り終わって、しばらく撮影まで日にちが空くんですよ。それで3週間後に会ったときに、「全く同じ状態で居られるのかな?」とは思います。なんなら、芝居の途中で終わっているんです(笑)。そこをお客さんには気づかれちゃいけないわけですが、それはそれで楽しんでるところもあります。

――ご自身を変えないために、やっていこうと思っていることはありますか?

大沢:撮影が終わるまでは5時に目覚めないといけないな、と思います(笑)。“同じ人”で居たいので、ズラしたくないんですよね。それは、他の撮影ではあまりない経験かもしれません。

――最後に、これまでで一番印象に残っているクリスマスの思い出を聞かせてください。

大沢:僕はクリスマスに大していい思い出がないんです(笑)。「なんでクリスマスの作品をやるのかな」とずっと考えていたんですが、神様がちょっとイタズラをしたのかなと思いました。自分にはクリスマスにそんなにハッピーな思い出がないし、たとえばフラれたこともあって。もちろんそれはツラいけど、フラれたからこそ友達と飲みに行って、友情の確認ができたりすることもあるじゃないですか。今回撮影をしていて、そんなふうに考えるようになりました。今はデミグラスソースをこぼしちゃうわ、ピストルは出てきちゃうわ、状況としては最悪なんですよ。みんなからの信頼がゼロになり、失墜した状態だけど、そこで思いっ切り傷ついてもいいのかなと。そんな考え方も含めて、この作品がサンタさんからのプレゼントなのかなと思っています。

■放送情報
『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』
フジテレビ系にて、10月9日(月)スタート 毎週月曜21:00~21:54放送
※初回30分拡大(21:00〜22:24放送)
出演:二宮和也、中谷美紀、大沢たかお、江口洋介、佐藤浩市
【逃亡編】中川大志、松本若菜、中村アン
【地方テレビ局編】福本莉子、小手伸也、加藤諒、大水洋介、丸山智己、梶原善
【レストラン編】桜井ユキ、井之脇海、今井英二、栗原英雄
脚本:徳永友一
企画・プロデュース:成河広明
演出:鈴木雅之
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/oneday_christmas_ado/
公式X(旧Twitter):@oneday_xmas_ado
公式Instagram:@oneday_xmas_ado

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