『葬送のフリーレン』『星屑テレパス』『薬屋のひとりごと』 秋アニメで期待大な5つの新作
『薬屋のひとりごと』
全シリーズ累計2400万部を突破している『薬屋のひとりごと』は今期の注目株と言っていい。後宮を舞台に「毒見役」の少女が薬学の専門知識を用いて様々な難事件を解決する後宮謎解きエンタテインメント。元々が小説を原作としていたこともありミステリとしても秀逸ながら、猫猫と壬氏の恋愛模様も同時に描かれておりラブコメとしても楽しめる。
個性的なキャラクターも魅力的だが、アニメで注目したいのは背景描写。原作では緻密かつ繊細に描かれた背景が高い評価を受けていたため、アニメでどのようなクオリティで表現するのか注目していたが、トレーラーを見た限りではそれは杞憂のようだ。それもそのはず、アニメーション制作にはTOHO animation STUDIO×OLM、スタッフ陣も中谷友紀子(キャラクターデザイン)や髙尾克己(美術監督)などが名を連ねている。繊細かつ濃密なストーリーをどのように構築して描き切るのか、制作陣の手腕に期待したい。
『星屑テレパス』
これまで多くの人気作品を生み出してきた『まんがタイムきらら』(芳文社)からまた新たなアニメ化が決定した。『星屑テレパス』は「次にくるマンガ大賞2021」コミックス部門にノミネートされた大熊らすこの同名漫画が原作。極度のあがり症でうまく話せない少女・小ノ星海果が宇宙人の転校生・明内ユウと出会ったことからロケットを製作するという「百合」と「宇宙」のめくるめく青春ストーリー。
『まんがタイムきらら』はコメディ要素の強い作品が多いが、同作の特徴としてはシリアスな描写がしっかりと描かれているということ。これが『まんがタイムきらら』作品としては新しいところだ。引っ込み思案な海果が宇宙を目指すために仲間たちと協力してロケットを作り上げていくその先にはきっと感動が待っていることだろう。もう一度青春を感じてみたい方は『星屑テレパス』をおすすめしたい。
ほかにも、『週刊ヤングジャンプ』(集英社)『少年ジャンプ+』(集英社)にて連載されている『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』や、なろう系の新作『シャングリラ・フロンティア ~クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす~』など、この秋初めてアニメ化される作品は多い。豊作と言われる秋アニメではあるが、私たちが予想しない名作アニメが生まれる可能性があるのが面白いところだ。ここで挙げきれなかった作品も含めて、今年の秋アニメを楽しみに待ちたい。