『最高の教師』相楽がラストに波乱を起こす? “かわいい”から“畏怖”へ変貌した加藤清史郎

 「事故もしくは自ら選んでしまったこと」。警察からはそう結論づけられた鵜久森(芦田愛菜)の突然の死。『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(日本テレビ系)の3年D組の生徒たちは、深い悲しみと戸惑いの中で、意外にもまとまりを見せ始めている。

 鵜久森は“1周目”の人生での後悔を繰り返さないために、できる限り力を尽くしてきた。ある時は自分に勇気を出して想いを告げてくれた東風谷(當真あみ)から逃げずに、自分の素直な気持ちを話したし、またある時は、自分をいじめていた瓜生(山時聡真)と向坂(浅野竣哉)から謝罪を受けた時、「許す」とは明言しないまでもふたりに笑いかけた。中には鵜久森にとってとても勇気が必要だったこともあっただろう。それでも行動した彼女のことを思って九条(松岡茉優)は鵜久森を「命を燃やした生徒」だと言った。これまで鵜久森がしてきたことはいくつかの点の「良いこと」とあったが、皮肉なことにその死をきっかけに点と点が繋がって、波となり3年D組に広がっている。

 静かな盛り上がりを見せるクラスの中で気になるのが、鵜久森に「不遇をあびせた人」の筆頭である相楽琉偉(加藤清史郎)が、なりを潜めていることだ。相楽はクラスメイトだけではなく、教師である九条をも標的にする問題行動の首謀者的存在。しかもその行動原理が「楽しいことをしたい」という思いから来ているからタチが悪い。それでいて、場の雰囲気を冷静に見つめる目も持っており、鵜久森の死の真相を知りたいと活気づくクラスで、「熱くなってるとこ悪いけど」と発言して冷水を浴びせるようなこともする。

 相楽を演じている加藤清史郎は、「こども店長」として多くの人に親しまれた言わずと知れた名子役。だが成長するにつれ、そのかわいらしさは爽やかさとなり、射抜くような目線が特徴的なきりりとした表情を見せるようになった。

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