『ウソ婚』が描いた“異性間の友情は成立するのか問題” トリンドル玲奈の姿に胸を打たれる

 男女の友情は成立するのか、しないのか。筆者は、“する”と思っている派だが、恋人がほかの異性と長い時間をともにしていたら、どうだろう。同性の友人を優先されても、「友達想いだなぁ」としか思わないのに、異性の友人のために必死になっている姿を見たら、「もしかして、好きなの?」と疑ってしまう気がする。自分に恋愛感情なしで接することができる異性の友人がいても、パートナーの友情を信じられないのはなぜだろうか。

『ウソ婚』第7話、“レミ”トリンドル玲奈が“匠”菊池風磨に迫る “八重”長濱ねるの戸惑いも

Sexy Zoneの菊池風磨が主演を務める火ドラ★イレブン『ウソ婚』の第7話が、8月22日23時よりカンテレ・フジテレビ系で放送…

 8月22日に放送された『ウソ婚』(カンテレ・フジテレビ系)第7話でも、“異性の友情は成立するのか問題”が繊細に描かれていた。てっきり、二木谷レミ(トリンドル玲奈)は、夏目匠(菊池風磨)のことを恋愛として好きなのだと思っていたが、どうやら友情としての好きだったらしい。「性別がちがうと、どっちかにパートナーがいたら、付き合い方を変えなきゃいけなくなる。私も男だったら……」と涙ながらに語るレミの姿には胸を打たれた。

 きっと匠は、千堂八重(長濱ねる)と再会するまでは、ちゃらんぽらんな生活をしていたのだろう。彼女がいても、そこまでのめり込むわけではない。だから、レミともふつうに遊べていたのだと思う。だけど、本当に大事な人(=八重)ができて、偽装ではあるが結婚生活を送ることになった。

 すると、おのずとレミとの間には距離ができることになる。男同士なら、結婚しても友情を保っていけるが、異性だとむずかしい。とくに匠の場合は、結婚後も変わらぬ生活をしていたら、よからぬ噂を立てられる可能性もある。

 それでもレミは、結婚後も友人として、これまでどおりの関係を続けていけると思っていたのだろう。匠と進藤将暉(渡辺翔太)が、ふつうに仲良くしているように。だから、「プライベートの誘いには、一切乗ってくれなくなって……」と訴えた気持ちも理解できる。しかし、匠は「ふつうだろ、それ。そういうもんだろ、結婚って」と言い切った。

 この瞬間、レミは越えられない性別の壁を感じてしまったのだろう。匠を押し倒し、色仕掛けをしたのは、彼との関係を失うのが怖かったから。恋愛として好きなわけではないけれど、“結婚相手”にならないと時間をともにすることができないのなら、それでいい。匠はすべてを分かっていたから、レミに優しくガウンをかけたのだと思う。

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