『悪霊狩猟団:カウンターズ』S2でパワーアップ! カン・ギヨン&キム・ヒオラに震撼

 シーズン2で新たな悪霊として登場したのは、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』で主人公ヨンウの先輩弁護士チョン・ミョンソク役として、ヨンウを導くお茶目で優しい姿が大人気となったカン・ギヨンだ。ミョンソクの面影は全くなく、ムンたちカウンターをおびやかすラスボス感満載の悪霊のファンは、念力を使って次々と人を殺めていく。ファンのパートナーであるゲーリーを演じるのは、同じく『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』で北朝鮮からの脱北者を演じ、『ザ・グローリー』の薬物中毒の芸術家イ・サラ役で一躍世界に顔を知られるようになったキム・ヒオラだ。『ザ・グローリー』で見せた、狂気と正気の狭間に生きる危うさと、境界線を飛び越え狂気の住人となる姿は強烈なインパクトを残した。

 本作でもキム・ヒオラの本領が遺憾なく発揮されており、アニメから抜け出して来たようなゲーリーに圧巻の演技でなりきるさまは、思わず目を背けたくなり震撼させられる。絶対に出会いたくない人物を演じる俳優として、本作でも強烈な爪痕を残すことだろう。

 カン・ギヨンが演じるラスボスのファンは、ヴィランとして人気になる要素が満載だ。長髪から醸し出される危ない色気と、鍛え抜かれた肉体美に、冷たい狂気を帯びた眼差しを持ちながら、なぜか親子愛に関心を寄せる。ジュソクが善と悪の境界線で必死で踏ん張る姿を見て、悪の側に突き落とそうとジュソクの母のもとに向かったとき、ファンは家族が2人だけなのに哀れだと言う。

 「母を殺せばジュソクは動くのか?」というゲーリーの問いに、「自らを憎むだろう、怒りがこみ上げる」と答えるファンの表情と、ジュソクの母の顔をなでる姿は、人の死を喜びいたぶる他の悪霊たちとは違うようにも見える。前作で、施設育ちのチ・チョンシン(イ・ホンネ)が悪霊となりながらも、子どもを守ろうとする姿を見せたように、ファンが悪霊となった事情もいずれ明かされるのだろう。

 ジュソクの選択に、ムンとカウンターたちとともにやりきれない思いを抱いた人もいるのではないだろうか。境界を越えてしまったジュソクは窿(ユン)で何を語るのか。ジュソクの魂が癒されることを願うばかりだ。

 最後に、ムンの同級生のウンミン(キム・ウンス)とジュヨン(イ・ジウォン)にも触れておきたい。前作からムン、ウンミン、ジュヨンの友情を見守ってきた筆者にとって、本作でウンミンとジュヨンの淡い恋が始まったのは、嬉しい驚きだ。ムンが能力で2人のキスの様子を垣間見てしまった姿に笑わせられる。さらに、ハナにも過去からの恋のストーリーが展開し始め、こちらも気になるところだ。シーズン2は、勧善懲悪のストーリーでは終わらず、善から悪に振れた悲しい物語の終着を見届けることになるのだろう。それとともに、合間に挟まれる恋のストーリーにも注目したい。

■配信情報
『悪霊狩猟団:カウンターズ』シーズン2:カウンターパンチ
Netflixにて配信中
出演:チョ・ビョンギュ、ユ・ジュンサン、キム・セジョン
原作・制作:ユ・ソンドン、キム・セボム、ヨ・ジナ

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